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    第249回 ~バイデン大統領のジレンマ ~の巻(2024年5月29日)

    今年は4年に一度のビッグイベントがあるよね。

    パリのオリンピックだね!

    そうだね。そして夏のオリンピックと同じ年に行われる4年に一度のビッグイベントといえば?

    え?他にもなにかあるの?

    米国の大統領選挙だよ。11月にあるんだよ。

    そうなんだ、全然知らなかった。次はだれが大統領になるんだろう?

    民主党は現職のバイデン大統領、共和党からはトランプ前大統領が候補者に指名されそうだよ。4年前の大統領選を争ったふたりが再び対決することになるね。

    そうなんだ、トランプ氏の名前は久しぶりに聞いたな。どちらが有力なの?

    5月15日時点の米国の世論調査による支持率を見ると、トランプ氏がバイデン大統領を若干ながら上回ってるわ。

    バイデン大統領が逆転する可能性はあるのかな?

    国内で高騰してるガソリン価格を安定させることができれば、バイデン大統領にも勝機が見えてくるかもしれないという声があるわ。

    どういうこと?

    米国内のレギュラーガソリンの小売価格は、5月13日の時点で、1ガロンあたり約3.6ドル(米エネルギー情報局統計)。昨年末から右肩上がりで推移してて、国民の生活を苦しめているわ。自動車社会である米国では、日本で考えている以上に国民がガソリン価格に敏感なの。バイデン大統領は支持を得るためにも、なんとかしてガソリン価格を落ち着かせたいところ。

    価格の高騰を抑えるには、ガソリンをたくさん生産すればいいんじゃないの?

    そう上手くいくかな。5月下旬には夏のドライブシーズンが始まるの。ガソリンの需要がとくに増える時期だから、既に相当な量のガソリンを生産しているわ。それにもかかわらずガソリンの国内在庫も年明けから減少傾向にある。

    需要がどんどん増えるのに、供給力に十分な余裕がなさそうだね。

    もうひとつ、ガソリン価格の抑制を難しくさせる要因があるのよ。バイデン政権はSPRの補充を検討してるいるの。

    SPR?聞いたことあるよ。戦略石油備蓄のことだよね!災害などの非常時に備えて、政府が原油を備蓄してるんだよね。

    米政府のSPRは2024年4月末の時点で、1983年10月以来の低い水準に達したの。原油を買い付けて、SPRを補充しないといけないんだ。

    でも、SPRを補充したら需給が引き締まって、原油価格の上昇を招きかねないよね。原油の値段が高くなれば、ガソリン価格は下がりにくくなっちゃう。かといって、大切なSPRを放っておくわけにもいかないし。

    そうなの。ガソリン価格を抑えて支持率を取り戻したい一方で、SPRも補充したい。バイデン大統領は難しい舵取りを迫られてるわ。

    そうなんだ。オリンピックどころじゃないね。

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    (文:山根 )
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