第134回 ~ナフサを制する者は石油を制す!?~の巻(2019年11月6日)

うさりん、9月に起こったサウジアラビアの石油施設に対するドローン攻撃は衝撃だったね。

新しい形の攻撃で、地政学リスクがますます高まるかもしれない。攻撃を受けて9月16日のニューヨーク原油市場では、WTI先物価格が1バレル62.90ドルと、前日比15%急騰したね。

イエメンの親イラン武装組織フーシ派が犯行声明を発表したわ。中東では複雑な政治的、宗教的対立が続いていて、大きな紛争へと発展するリスクを抱えているのね。

原油の話に戻すと、サウジの国営石油会社サウジアラムコの原油生産日量は、この攻撃によって半減した。でも、9月末には原油生産量が元の水準まで回復したと発表しているね。原油相場も落ち着きを取り戻しているよ。

実際はそうでもないみたいよ。

どういうこと?

今回の攻撃の余波で、石油製品の1つであるナフサの価格は、1カ月以上経ったいまでも高止まりしているの。ナフサは粗製ガソリンとも呼ばれ、多くの石油化学製品の原料になるんだけど、アラムコの製油所で精製されるナフサの供給量は、10月に入ってもまだ半減しているらしいわ。それが原因でナフサ市場ではまだ相場の高騰が続いているよ。

なるほど。

ナフサは原油を常圧蒸留装置で分離して、ガソリンと灯油の中間の沸点(摂氏約35~200度)で得られる石油精製工程の半製品よ。

なるほど。

さらに沸点範囲が30~100度のものを軽質(ライト)ナフサ、100~200度のものを重質(ヘビー)ナフサといい、両方を含むものをフルレンジ・ナフサと呼ぶよの。

フルレンジって何か響きがカッコイイね。

軽質ナフサは、ナフサクラッカーと呼ばれるエチレンプラントで熱分解や分離精製され、石油化学製品の基材となるエチレンになる。重質ナフサは、水素化脱硫処理したうえで接触改質装置にかけ、オクタン価を高め、改質ガソリンへと転化するプロセスに使用されるよ。

要はエチレンやガソリンの基になるってことだな。

つまりナフサは石油製品や石油化学製品に深く関係しているから、ナフサを制するものが石油を制すといっても過言ではない!

ナフサについてもっと詳しく知りたいな

また今度、ナフサと液化石油ガス(LPG)の関係や、国際市場でナフサ価格が決まる方式なども話してあげるよ。

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(文:横井 )
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沸点範囲が摂氏30~100度のナフサは?

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