最新版

  • 第246回 ~LNGの不都合な新説~の巻
    (04/17 12:00)

    バックナンバー

    過去の記事

    第220回 ~LPGの主原料ってどっち? ~の巻(2023年4月5日)

    突然だけどLPGの主原料ってブタンとプロパンどっちなの?LNGはメタンが主原料とはっきりしているのに、LPGはなんだかはっきりしないんだよなあ。

    本当に突然ね。でもうさりんが疑問に思うのもわかるわ。結論から述べると、どちらも主原料ということになるわ。

    それはブタンとプロパンの混合比率が1:1ということなの?

    その考え方もあながち間違ってはいないけれど、『用途によって混合比率が異なる』というのが正解よ。大まかに分けると、家庭用の主成分はプロパン、工業用はブタンになるわ。

    用途によって成分が違うんだね!でもどうして分ける必要があるの?

    それはブタンとプロパンの熱量と沸点の違いを利用することで、用途毎に最適な燃料にアレンジするためよ。ブタンの熱量は128MJ/㎥で沸点は常圧でマイナス0.5℃。プロパンの熱量は99MJ/㎥で沸点は常圧でマイナス42.12℃。うさりんはこれを見てどんな用途の分け方ができるか思いつく?

    うーん、まずブタンの方が熱量が高いということは、家庭より工場のような高い火力が必要になる場所で使った方がエネルギー効率がいいと思う。

    その考え方は正しいわ。高火力を必要とする分野で熱量が高いガスを使うのは理に適っているものね。じゃあ沸点からは何か分かった?

    ブタンの方が高い温度で液化するね。でもこの点から考えるとプロパンの利点が思いつかないなぁ。液化するためには加圧か冷却が必要だけど、それには少なからずエネルギーが必要だからプロパンの方がエネルギー効率が単純に悪いということにならない?

    良い着眼点ね!でも現にプロパンは世界中に普及していることを考えると、エネルギー効率以外の観点があると思わない?

    確かに。うーん、降参!答えを教えてください。

    うさりんってば諦めが早いよ。ヒントは気候よ。夏は暑いけど冬は寒い。地域によっては氷点下を大きく下回るわね。

    あっ!分かった!ブタンガスだと寒い日に気化できなくてガスが使えないんだね。

    その通り。家庭用のガスボンベは加圧することでガスを液化しているのだけど、再度気化させるときは減圧しているの。圧力がかかっていない状態ではプロパンは約マイナス42℃で気化するから、気化させることに問題のある地域は少ないわ。一方ブタンはマイナス2℃以上の温度がなければ気化できないわ。関東でも冬場は気温が氷点下になる地域が多いから、ブタンガス単体では季節や時間によってガスが使用できないなんてこともあり得るわ。

    だからプロパンが広く使われているんだね。

    プロパンとブタンそれぞれの特性を生かせるように用途別に混合比率を変えているのがLPGなのよ。

    【お知らせ】
    このコーナーに対するご意見、ご質問は、下記まで
    電話  03-3552-2411
    メール info@rim-intelligence.co.jp

    (文:朝比奈 )
    クイズに挑戦してみよう!
    今回の
    「やさしいエネルギー講座」から出題!

    ブタンの沸点は何度?

    正解と思ったボタンを押してみよう。

    エネルギーの知識をさらに深めたい人は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会の検定に挑戦してみよう!

    https://www.energy-planner.jp

    (リム情報開発は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会を応援しています)