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  • 第246回 ~LNGの不都合な新説~の巻
    (04/17 12:00)

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    第225回 ~環境にやさしい旅をしよう! ~の巻(2023年6月21日)

    5月以降、本当に外国人旅行者が増えたねえ。さっきもここに来る途中で海外の人に道を聞かれたんだ。以前のように、にぎやかな感じが戻ってきて嬉しいね!

    そうね、私もそろそろ旅行に行きたくなってきたわ。

    かめりんは、どんな旅行がしたいの?

    やっぱり、亀だから、海に行きたいわね!できることならゴージャスなフェリーとか豪華客船の旅で、ゆったりのんびり贅沢に海を満喫したいわ。費用の問題があるから、あくまでも夢だけどね・・・。

    確かに豪華な船旅って、憧れるよねぇ。そういえばここ数年、世界では環境に配慮した新しいフェリーやクルーズ船が導入されるようになっているんだって。今年1月に日本で初めてのLNG燃料のフェリー「さんふらわあ くれない」が、大阪と別府間で就航したんだよ。このLNG燃料フェリーでは、硫⻩酸化物の排出量はほぼゼロで、従来の燃料と比べて、窒素酸化物は約80%、⼆酸化炭素は約25%削減ができたんだ。

    まあ!もう船旅では、そこまで配慮されて始めているのね。それでは飛行機はどうなのかしら?

    残念ながら、飛行機は、まだ船ほどではないみたい。『飛び恥』って、聞いたことはあるかい?フライトシェイム(Flight Shame)という英語の訳なんだ。これは世界中で二酸化炭素排出を問題にしている時に、排出量の多い飛行機を利用するのは恥ずかしいという罪悪感を表現しているんだ。そこから飛行機移動を避けようとする運動自体も、『飛び恥』と表現することもあるそうだよ。

    そんな言葉があるのね。知らなかったわ。でも、日本と海外の行き来に、飛行機なしって、かなり難しい話だわね・・・。

    そうなんだよね。航空業界も、まったく取り組んでない訳ではないんだ。日本でもANAグループや日本航空(JAL)では、次世代燃料SAF(持続可能な航空燃料、Sustainable Aviation Fuel)を使って、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指しているよ。この『SAF』は、化石燃料以外を原料するジェット燃料で、原料は、主に植物などのバイオマス由来の原料や、日常生活の中で排出される廃棄物・廃食油でできている。ただ、デメリットは調達する費用負担が高いんだよね。だから、ANAやJALでは燃料以外に、運行方法・オペレーションにおいても工夫を試みてるそうだよ。

    ぜひ、成功させてほしいわね!海外に気軽に行き来できなくなるのは悲しいもの。

    同感だね! 他にも日本では、国内の移動についても取り組みが進んでいるよ。例えば、環境省では「ゼロカーボン・パーク」というプロジェクトに取り組んだりしてる。国立公園における電気自動車(EV)等の活用、立地する利用施設における再生可能エネルギーの活用、地産地消等の取り組みを進めて、国立公園の脱炭素化を目指しているんだ。

    日本全体で取り組んでるのね! 日本にたくさんある温泉なども役に立てないかしら?

    温泉だと東北大学の地熱エネルギーの研究グループが、面白い研究しているよ。都心部でテレワークをする場合と、温泉地でテレワークする場合の、CO2排出量を比較したんだって。結果は、『温泉地テレワーク(浴用&暖房)』だと、年約74%も排出量が減らせると出たんだ。ただし、数日で行き帰りしてしまうと、その交通量でCO2が排出されてしまうから、1カ月以上は滞在するしないと効率が悪いみたい。

    温泉地に1カ月テレワークって、夢のある研究だわね!試してみたいわ。

    かめりん、疲れているんだね・・・、とりあえず、今日はスーパー銭湯に癒しに行こうよ。

    うん、ありがとう。うさりんの優しさが心にしみるわ。

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    (文:寺島 )
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