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  • 第246回 ~LNGの不都合な新説~の巻
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    第236回 ~水不足!?パナマ運河が記録的な干ばつ! ~の巻(2023年11月22日)

    パナマ運河が記録的な干ばつに見舞われていると聞いたんだけど、運河って船を通行させるところだよね?

    そうだよ!パナマ運河は中米に位置していて、太平洋と大西洋を結ぶ海上輸送の要衝なんだ。パナマ運河は全長がおよそ80キロメートルあるわ。

    そもそもパナマ運河はどうやって船が通行するんだろう?

    パナマ運河は3組の水門(ロック)と3つの人工湖で成り立っているの。水門で区切ったスペースの閘室(こうしつ)の中に水を閉じ込めて、そのスペース内の水量を増減させることで、水位を変化させて、船を通すんだ。水位を変化させることでエレベーターのように船を運ぶ形だね。パナマ運河にある人口湖の一つであるガツン湖は海抜が26メートルあるけど、ここを通過して大西洋あるいは太平洋に船が出ていくんだ。

    なるほど。よくわかったよ。じゃあ、干ばつが起きるとどのような影響があるのかな?

    パナマは本来なら5月から12月が雨季と言われているのに、エルニーニョ現象により、雨が降らずに深刻な水不足に陥ったんだ。この状況下、水位が下がって運河を通航できる船舶の数と重量の制限が設けられたため、混雑して滞船が発生しているんだよ。パナマは2024年1月に本格的な乾季となるため、さらに運河の水位が下がる可能性も指摘されているよ。

    大変なことになっているんだね。運河の通峡制限は具体的にどんなものがあるの?

    パナマ運河庁は2023年11月からパナマ運河の通峡制限を強化したの。制限開始前は一日あたり平均36隻が運河を通峡していたものの、11月3日から6日までは25隻、11月7日以降は24隻、12月は22隻、2024年2月には18隻にまで段階的に減らす予定のようね。通峡制限は2024年2月までは継続するみたい。

    運河を通峡できる船数がかなり減っているんだね、、

    うん。さらに運河の通峡制限を受けて、運河の通峡権のオークションの落札価格が高騰し、最近では1隻を通すのに400万ドルを払ったプレーヤーもいるみたいなんだ。

    400万ドル!信じられない。日本円だと約6億円になるね。

    高すぎるわね。また、運河を通峡できる船が減り、運河で滞船が発生した場合にスポット市場でフレートが高騰する要因にもなりえるわ。特にLPGを運搬するVLGC(Very Large Gas Carrer)船は世界の既存船が340~350隻と少ないことから、滞船の影響を受けやすいとされているの。

    う~ん。様々な影響があるんだね。極東ではLPGの需要期に入るし、これからの動向に注目だね!

    そうだね。運河の状況は注視していきたいね!

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    (文:徳武 )
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    パナマ運河の人工湖の名前は「 」?

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