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  • 第246回 ~LNGの不都合な新説~の巻
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    第235回 ~日本の電力王・福澤桃介 ~の巻(2023年11月8日)

    第213回のやさしいエネルギー講座で石油王が日本にもいたって知ったけど、電力王とかガス王はいないのかな?

    藪から棒ね。ガス王は心当たりがないけど、実は電力王と呼ばれた人は過去に何人かいたの。

    えっ、いるんだね。

    そのうちの1人は明治から昭和にかけて実業界で活躍した福澤桃介という人物よ。木曽川を中心に水力発電を成功させ、送電事業まで興してのちに五大電力の一つ【大同電力】にまで発展させたの。大同電力は現在の関西電力につながっているのよ。こうしたことから【電力王】と呼ばれているわ。

    へえ~!どんな人なの?

    福澤桃介は埼玉県生まれ。生家は貧しかったのだけど、頭が良かったので親戚の助力で慶應義塾に入ったのね。慶応義塾ではその頭脳や眉目秀麗さなどを福澤家の人に見初められ、福澤諭吉の娘婿になったわ。

    頭が良いうえにイケメンだったのか…でもイケメンっぷりなら僕も負けていないよ。

    はいはい。さらに米国に留学し鉄道事業に携わるのだけど、帰国後は株式相場で大成功を収めたのよ。

    最初から電力一本でやっていたわけではないんだね。

    そうなの。それから相場で成した財産を以て、色々な事業に携わるのだけれど、特に電力事業、とりわけ水力発電に情熱を傾けるようになるのね。

    火力発電ではなく、水力発電なんだね。

    ええ。でも、実は当時は火力発電が主流だったの。だけれど、石炭のコスト拡大、深刻な公害、資源の枯渇が問題視されていたわ。水力発電推しの一人だった福澤桃介は、名古屋電燈の経営に携わっていたころ、木曽川に着目したのね。

    そうなんだ。どうして?

    木曽川の豊富な水量、高低差、水源が枯渇する可能性が低いこと、電力消費地の名古屋に近いことなどが理由よ。

    なるほど、水力発電に必要な条件を兼ね備えていたんだね。

    福澤桃介はその後、木曽川の水力発電事業に関する色々な障壁をクリアして、木曽川の水力開発に取り組む会社を立ち上げたのよ。それからはダム建設を着々と進め、賤母、大桑、須原、桃山、読書、大井、落合に発電所を建設したの。

    7か所も作ったんだ!さぞかし発電量もすごいだろうね

    だから福澤桃介は、木曽川で発電された豊富な電力を名古屋だけでなく、関西方面に送電する会社を設立したの。そして同じ関西への送電を行っていた競合他社を合併し、【大同電力】を立ち上げたのよ。

    そうだったんだね。僕はこれまで電力王や石油王について知ったけど、これからは僕が○○王と呼ばれるくらい頑張るつもりさ!

    脱炭素の時代だから、うさりんにもチャンスがあるのは間違いないわね!うさりんは何王を目指すの?

    そうだなあ、水素、アンモニア、SAF…夢が膨らむなあ!あっ、でも元手がないと厳しいか。よーし、まずは投資で利益を獲得してから始めようかな!

    うさりん、本末転倒にならないようにね…

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    (文:原 )
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    今回の
    「やさしいエネルギー講座」から出題!

    福澤桃介が、建設に関わっていないダムは次のうちどれかな?

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