記者の眼記者の眼

第229回 (2024年1月24日)

 私は学生時代に陸上競技をしていたこともあり、現在も趣味でランニングを続けている。2023年は週1回走ることに加え、緩そうなロードレースの大会に2回出ることを目標としていた。しかし、振り返ると月に2回ほどしか走らず、大会には一度も出なかった。むしろ、某ウイルスに感染し、体力を落とす結果となってしまった。予想外の出来事だった。

 

 予想外の出来事と言えば、2023年のLPG市場だろう。パナマ運河の渇水を受けて、春から冬まで通峡制限が強化されてきた。VLGC船のスポットフレートコストの上昇やパナマ運河の通峡権オークションの落札価格の高騰、それに伴うスエズ運河や喜望峰を経由する航路の利用の増加などが挙げられる。また、紅海の治安悪化により、今後は多くのプレーヤーが喜望峰経由の航路を利用するとも伝えられている。しかし、2024年になり蓋を開けてみると、パナマ運河の渇水状況が以前より改善し、スエズ運河からパナマ運河経由の航路に回帰するプレーヤーも出てきている。本当に海外情勢は読めないなと改めて感じた。

 

 予想外の出来事が起きても、トレーダーや輸入業者などの市場関係者はそれに対応し、最善の策を打つ。日々変化するマーケットに適応しているのだ。私も2024年はしっかりと走りたい。ここでやめてしまうと何かに置いて行かれるような気がしてならない。

 

 

(徳武)

 

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