原油・コンデンセート=4月8~12日:サウジアラビア産、5月AHとAMの供給が削減
国営サウジアラムコは9日、アジアの長期契約者から提示された5月の船積み要請に対して船積み予定の通告、いわゆるアクセプタンスを開示した。サウジアラムコは今回、5月積みのサウジアラビア産原油のうち、アラブヘビー(AH)の供給を契約で取り決めた数量より少なくした。アラブミディアム(AM)についても、一部の契約者が供給を削減されたとの情報が寄せられた。3~4月にAHの海底油田でメンテナンスが実施されているが、この作業が5月にずれ込む影響が出るもようだ。サウジアラムコは、4月積みに続き5月積みについても、生産量が減少するAHの代替として契約者向けにAMを供給して不足分を補う意向を示した。
【アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ】 米国産原油のアジア向けの商いでは、韓国のSKエナジーが今週半ばに7月着として追加でWTIミッドランド原油200万バレルを購入した。売り手は米オクシデンタル石油で、価格はCFRベースでドバイ原油市況に対して5ドル台前半のプレミアムだったと伝えられた。今回の成約は7月着として大型原油タンカー(VLCC)で3カーゴ目となり、同社は今回の成約を含め、これまでにWTI原油などの米国産原油を計600万バレル購入したことになる。メキシコ産原油の輸出削減を受け、WTI原油やマーズ原油などの米国産原油は一時期、上昇していたが、アジアの中間留分の悪化や船運賃の軟化を受け、相場は4月上旬と比べ軟化した。
【南方】 6月積みNWSCの商いでは、売買双方のプレーヤーが様子見に徹しており、商談に進展は見られなかった。需要面では、ナフサの精製マージンの低迷を背景に、SKエナジーやハンファトタルエナジー、タイ石油公社(PTT)などの需要家はNWSCの購入に消極的と伝えられた。加えて、6月積み中東産D.F.C.とL.S.C.のアジア向けの供給が増加していることも弱材料視された。一方、6月積みNWSCは2カーゴが供給され、米シェブロンが6月8~12日積みを、豪ウッドサイドが6月24~28日積みをそれぞれ保有している。
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