アジア石油製品=4月1~5日: 韓国積み91RON(SR)相場下落、日本からの買い気乏しく
ガソリン 日本の輸入採算合わず、海外市況の高止まりが影響 韓国積み91RONガソリン(SR船型)の市況連動相場は軟化した。日本から買い気が乏しく、売り手が唱えを引き下げている。日本商社などは輸入に消極的な姿勢で、商談に至っている気配は見られない。日本では製油所の定修予定で国内の供給に引き締まり感が強いものの、海外市況高などにより輸入採算が合わないため、韓国積みの輸入に動きにくい状況。 中国の輸出動向が不透明で、プレーヤーは様子見の姿勢を強めている。中国では第2回の輸出割当量の通達時期が不明なため、石油会社は5月積みの輸出計画を立てにくい状況。そのうえ、清明節の連休にも入り、動きは鈍い。 韓国では4月末にこれまで引き下げていた油類税を元の水準に戻すことを予定している。しかし、国際原油市況の強さを背景に、国内の石油製品価格が高止まりしているため、政府がさらに延期しそうだとの見通しが広がっている。
ナフサ 相場下落、売り気強く供給過多感広まる 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で12.00~13.00ドルのプレミアム、カーゴ到着45日前評価で9.00~10.00ドルのプレミアムとなっている。日本の石化1社は4日締めの入札で、5月後半着オープンスペック・ナフサ2万5,000トンをCFRベースで同市況に対し6.00ドル未満のプレミアムで購入した。45日前評価。先物価格よりも安値で唱える売り手が複数いたようだ。売り気が強く、供給過多感も広がっている。 ナフサと原油のクラックスプレッドは今週に入り急速に縮んでいる。原油の上昇に比べてナフサ市況は強さを欠く。ナフサクラッカーの稼働率低下や原料としてLPGが一定数量使用されている。加えて、堅調だった欧州のナフサ市況にも陰りが見えており、アジアのナフサ市況も連れ安になっていると指摘された。市場関係者によると、アフリカ・ナイジェリアのダンゴート製油所(日量65万バレル)からナフサの輸出が始まったことも各地のナフサ市況安の一因とみられる。
中間留分 ジェット燃料が弱含み、米国向けアーブの縮小で ジェット燃料は弱含んだ。米国のジェット燃料油需給が緩んでおり、アジアから米西海岸向けのアービトラージは閉じたままだ。こういったなか、一般品に対する高引火点品のプレミアムは縮小しているもよう。中国では栄盛石化が3日、入札を通して5月1~3日積みとしてMR船型1カーゴを販売した。価格はシンガポール市況対比でFOBベース1.30ドル程度のディスカウントと伝えられた。 韓国積み灯油(SR船型)の市況連動相場は横ばい。一部の日本商社が韓国石油数社に対し買い気を示している。4月下旬積みや5月前半積みの販売可能な数量を探っているようだ。ただ、問い合わせを受けた韓国数社もスポットで販売する余力がなく、売買に至ったとの話は聞かれていない。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は小幅に上昇した。5月前半積みの販売量が限定的となっている。中国の2024年第1回の輸出割当量が各社残りわずかとなり、4月積みに続き、5月積みの輸出も慎重にならざるを得ないようだ。市場では「中国勢は特に5月前半積みまでの輸出が少ない」との観測も出ており、北東アジア域内で販売量の不足感が生じている。
重油 韓国石油会社、バンカー市場への供給を優先 韓国積み0.5%S重油の市況連動相場は横ばいとなった。引き続き韓国積み品のスポット商談は聞かれず、プレーヤーの市況観にも変化はみられない。0.5%S重油に比べ、バンカー市場のVLSFO価格が割高に推移しており、韓国石油会社はバンカー市場への供給を優先しているもようだ。一方、既報のとおり、主要な輸出先である中国では、国営および独立系製油所の生産意欲が高く、輸入玉の調達には消極的という。
マーケットニュース 3日午前9時前(日本時間)に台湾付近を震源とするマグニチュード7.7の地震が発生した。台湾などの市場関係者によると、フォルモサ石油化学(FPCC)の麦寮製油所が一時停止したと分かった。揺れが大きい場合、自動的に稼働を停止させるという。設備への被害は軽微なため、午後の時点ですでに再稼働しており、稼働に影響はないと伝えられた。台湾中油(CPC)の製油所や、台湾内の石油化学設備では、いまのところ目立った被害は確認されていない。 地震直後、FPCC麦寮製油所の港が閉鎖された。
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