アジア石油製品=1月22~26日:中間留分軟調、フレート急騰が下方圧力に
ガソリン オキシー品の市況下落、フレート高が重し 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は週末に軒並み下落した。紅海の地政学リスクでフレートが続伸し、FOBベースの相場に下押し圧力が強まっている。そのうえ、シンガポールの先物市場で2月と3月限の月間価格差は1.80ドルの期先安に拡大しているため、トレーダーなどは月間価格差のリスクを意識し、2月下旬積みの買いを抑えている。韓国では今週、石油1社が2月積みの追加販売を進めていたが、商談は難航している。傭船が困難となりフレートが急騰するなか、トレーダーなどがカーゴの調達に難色を示しているようだ。2月下旬に韓国積み92RONガソリンのMR船型の成約が可能な水準は、FOBベースで同市況対比3.00ドル前後のディスカウントに後退しているという。
ナフサ 相場は堅調、地政学的リスクへの警戒感根強く 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で26.00~27.00ドルのプレミアム、カーゴ到着45日前評価で17.00~18.00ドルのプレミアムで推移している。地政学的リスクへの警戒感が根強く、相場は堅調。ロシア西部の石油製品輸出ターミナルが攻撃を受け、火災が発生したことで、一部の操業を停止。同国からのナフサ輸出量が減少する公算が高まった。紅海置きの治安悪化も解消されず。売り手側はカーゴの遅延が発生した場合に備えて販売を抑えている可能性もある。アーブ品が潤沢に北東アジアへ流れる環境ではない。カタールやアラブ首長国連邦で実施中の製油所の定期修理が終了するまで需給の引き締まり感は続くとの見方が示された。
中間留分 ジェット燃料、日本と豪州勢のショートカバー終了 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は大幅に下落した。北東アジア積み品に対する買い気が一巡。2月における日本や豪州勢のショートカバーはおおむね終了したようだ。また、フレートがここ数日で急騰しているとあって、FOBベースの売買が下押しされている。 韓国石化大手のLG化学と、イタリア炭化水素公社(ENI)の子会社であるエニライブが、韓国デサンに新たなバイオリファイナリー建設に向けて合弁契約に署名した。両社は昨年9月に同プロジェクトの検討を開始。今回の署名で事業実現に一歩前進した格好だ。 両社の発表によると、デサンにあるLG化学のコンビナートに、2026年までに新リファイナリーを建設する。ENIの持つ技術を活用して年間約40万トンの原料を処理し、持続可能な航空燃料(SAF)を含む複数のバイオ燃料を製造する計画という。事業の最終決定は24年内を目指す。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は下落し続けた。需給の緩みに加え、フレートの高まりが重しとなった。フレートが急騰しており、FOBベースの売買に下げ圧力がかかっている。韓国のSKエナジーは活発に販売を続けているほか、中国勢も軽油を含めた製品の輸出を進めている。紅海沖の治安悪化が継続していることで喜望峰を通過する船舶が多く、フレートの上昇に拍車をかけている。
重油 アジアで重油供給が増加 韓国積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は同水準で推移した。ただし、アジア域内で供給増加観測が強まっており、相場の基調は弱い。市場関係者によると、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社が、1月積みとして15万トン以上のストレートラン重油を販売していたもよう。ルワイス製油所(81万7,000バレル)出しとなる。同製油所では残渣油流動接触分解装置(RFCC、日量12万7,000バレル)が定修のため稼働を停止しており、余剰となった重油の輸出が増加しているという。 台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は23日、2月16~18日積みで4万トンの1.5%S重油を販売した。価格はシンガポール市況(0.5%S)に対し85~90ドルのディスカウントという。
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