アジア石油製品=1月15~19日:10ppm軽油下落、欧州向けアーブ縮小で玉が滞留
ガソリン ノンオキシー品市況上昇 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は韓国積み91RONガソリンや台湾積み93RONガソリンが上昇した。東南アジアで製油所のトラブルが相次ぎ、ショットカバー目的の買いが見られる。台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は16日、入札を通じて2月中旬積みの93RONガソリン50万バレルを販売した。価格は、MR船型に換算するとFOBベースで同市況対比3.00ドル近辺のプレミアムに相当するようだ。 東南アジアで需要が増える可能性が指摘される。イスラム教のラマダンが3月中旬から始まるため、インドネシアなどが2月の輸入量を増やしそうだ。
ナフサ 需給バランスは徐々に緩和へ 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で20.50~21.50ドルのプレミアムで推移している。需給バランスは徐々に緩和していくとの見方が優勢。3月着の商いでは、中東の製油所の定期修理が終わり始めることから供給力が回復すると見込まれている。一方需要面では、オレフィンの精製マージン縮小を受け、生産調整を継続する動きがみられており、ナフサ需要も押さえられそうだ。 設備関連で、日本のナフサクラッカー2基が3月から定期修理を予定しているほか、別のクラッカー1基も3月、誘導品設備の定修を背景に稼働率を最低水準まで引き下げる計画だ。台湾中油(CPC)は15日、定修のため第3ナフサクラッカーの稼働を停止させた。
中間留分 軽油、紅海の航行リスクを嫌気、フレートも高止まり 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は下落した。需給の緩みを反映した。韓国石油会社が入札を通じて玉を販売。だが、主要な買い手の日本勢からの買いがみられなくなったようで、販売入札開示時の応札が減少している。中国からの販売が増えつつある点も弱材料視された。1月の輸出量は約160万トンと推測される。また、北東アジア積みの市況連動相場がプレミアム圏で推移しているため、米国向けの採算が合わない状態が続いている。 中東積みジェット燃料(LR船型)の市況連動相場は、中東市況に対し4.65~4.85ドルのプレミアムとなった。一部で欧州向けの供給に懸念を示す関係者も見受けられる。紅海沖の地政学的リスクが続いており、中東やインド品の欧州への輸送に遅れや中断が予想されるためだ。 北東アジア積みの0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場も切り下がった。アジア域内の需給緩和が指摘されている。紅海沖の地政学リスク継続とそれに伴うフレートの高止まりで、アジアから欧州向けの販売は滞っている。また、中国からは今後、2月積み品の販売が増加するとの見方も弱材料。中国は1月積みとして少なくとも100万トン前後の販売を行った。2月については旧正月の連休で工場向け需要が減退することから、1月並みの販売量が維持されるとの指摘が寄せられた。 日本ではENEOS、出光興産がそれぞれ2月積みの販売を進めた。複数の関係者によると、ENEOSは今週に2月6~10日積みMR船型1カーゴを同市況対比20セント程度のディスカウントで販売した。また、出光興産は先週までに2月中旬積みのMR船型1カーゴを同市況比40セント程度のディスカウントで売り進めたようだ。
重油 日本からHSFOスポット販売の動き 日本積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場はもち合った。市場関係者によると、日本商社1社が韓国石油会社などに対し、2月上旬積みでSR船型程度の高硫黄重油(HSFO)の販売を打診しているもようだ。具体的な売唱えなどは聞かれない。一部の市場関係者は、日本国内の製油所で、脱硫装置などにトラブルが発生したことから、余剰となったHSFOが急遽、輸出に振り向けられているとみている。「トラブルが長期化すれば、さらに余剰玉販売に動きが続く可能性もある」(市場関係者)との声が聞かれた。 シンガポール海事港湾庁(MPA)はこのほど、12月のシンガポール港でのバンカー重油販売量が505万640トン(速報値)だったと発表した。前年比で19.7%(83万2,820トン)、前月比では18.4%(78万5,180トン)それぞれ大幅に増加した。
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