電力=7月18~22日:東西ともに続落、潤沢な売り投入で
7月18~22日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東西ともに続落。安定した供給力を背景に、潤沢な売りが投入され、価格の上値を抑えた。週後半には、西日本で天気も回復し、太陽光発電も増えたため、22日受渡の九州では平日ながら複数コマで0.01円を付けた。市場関係者からは「九州では原発3基が稼働しているため、その影響が大きい」(新電力の需給担当者)との声も聞かれた。九州では、玄海原発4号機(定格出力118万kW、PWR型、佐賀県玄海町)、川内原発1号機と2号機 (各89万kW、PWR型、鹿児島県薩摩川内市)が稼働している。 また、関西電力の大飯原発4号機(118万kW、PWR型、福井県おおい町)が17日から発電を再開した。さらに、定検明けが遅れている関電の高浜原発3号機(87万kW、PWR型、福井県高浜町)も、26日に発電を再開することが明らかとなった。 燃料相場は総じて軟化。北東アジア市場のLNG相場がmmBtuあたり40ドルを割り込んだほか、豪ニューキャッスル積みの一般炭相場も400ドルを下回った。原油相場も、WTIは100ドル割れが続いた。
週を通じた実勢高値は、20日のシステムプライス(SP)で付けた50.00円となった。実勢安値は連日付けた0.01円で、18日は北海道と東北、SP、19日は九州、20日は北海道と東北、21日は北海道、東北、九州、22日は九州だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比8.31円安の21.79円、東北が同9.46円安の20.98円、東京が同6.06円安の24.52円、中部が同3.51円安の22.54円、北陸、関西、中国が同3.56円安の21.96円、四国が同2.84円安の21.10円、九州が同4.60円安の13.96円だった。 売買入札量の週間平均は、前週比で売りが5.5%増の11億5,625万1,240kWh、買いが4.0%減の10億8,436万8,740kWhとなった。約定量の週間平均は、前週から0.9%減の9億4,159万1,580kWhだった。
7月18~22日の9エリアの電力需要は131億5,742万8,000kWhとなり、前週7月11~15日の131億6,340万2,000kWhとほぼ同水準だった。なお、曜日を合わせた前年の7月19~23日の需要実績は138億3,601万8,000kWhで、前年からの減少率は4.9%となった。
7月18~22日のJEPXの先渡市場では、22日に1件の約定があった。東京エリアの週間昼間型(平日8~18時受渡)で、7月30日~8月5日受渡が42.00円で2MWだった。
7月18~22日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
7月18~22日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
7月最終週は、18日の週に比べ晴れ間の日が多くなる予報で、太陽光発電が増加する見通しのため、昼間価格の上値を抑える材料となりそう。週を通じた最高気温は、九州から関東で30~34度と、夏らしい陽気が予想されているが、35度を超えるような見通しは出ていないため、引き続き電力需給は安定的に推移すると見られる。このため、発電設備のトラブルなどが生じなければ、今週並の価格で推移すると見られ、高値も45円以下で収まりそうだ。
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