アジア石油製品=7月18~22日:軽油は軟調、売り気の強さが相場下押し
ガソリン 韓国積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は弱含んだ。弱材料が重なり、相場は下げ幅を広げた。アジアの最大輸入国であるインドネシアでは内需が減少し、在庫が積み上がっているようで、スポットの買いが乏しい。そのうえ、フレートが依然として高止まりしている。さらに、先物市場で8月と9月限の月間価格差は2.00ドルの期先安に推移していることから、需要家は8月下旬積みカーゴの買いを抑えている。そのなか、韓国石油1社が8月下旬積みとして92RONガソリンMR船型の販売を進めているものの、買い気が乏しく、商談は難航している。成約が可能な水準は、高くてFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し2.50ドル近辺のディスカウントになりそうだとの指摘が寄せられる。既報のとおり、韓国の現代オイルバンクは8月末積みの92RONガソリンMR船型をFOBベースで同市況対比2.30ドルのディスカウントで販売している。その後、相場は一段と下落している様子だ。
ナフサ 中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場は下落した。軟調な北東アジア着市況を反映した。現在の日本着相場から判断すると、パラフィン比率65%換算の中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場は、中東市況に対し22.00ドル前後のプレミアムへと下落していると市場関係者はみている。カタールエナジー(QE)およびクウェート国営石油会社(KPC)は、8月積みヘビーフルレンジナフサを中東市況に対しそれぞれ32ドルおよび38~42ドルのプレミアムで販売していたと伝えられている。ただ、一部にはこれらの成約は中東市況に対し20ドル台半ばのプレミアムだったとの情報も寄せられている。インド国営石油会社(IOC)は、8月10~12日積みヘビーグレード3万5,000トンを中東市況に対し42.85ドルのプレミアムで販売したもよう。買い手はBP。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は大幅安。供給増が相場を下押した。軽油の精製マージンが引き続き好調なことから、石油会社は軽油の生産に注力しており、8月積みのスポット玉が増えている。また、これまで輸出を抑えていた中国からも売り物が見られ始めている。中国海洋石油(CNOOC)が8月積みの販売を予定しているものの、取引の情報は寄せられていない。韓国では、SKエナジーが18日、8月25~27日積みのMR船型をFOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し2.95ドル前後のディスカウントで販売したことが判明した。また、現代オイルバンクは15日、入札を通じて8月26~28日積みの45万バレルと8月29~31日積みの30万バレルを販売した。価格は、いずれもFOBベースで同市況対比2.40ドルのディスカウントと伝えられた。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は軟化した。フレート高やインターマンススプレッドのバックワーデーション拡大が続いていることが影響した。韓国石油会社によると、船繰りがタイトとなっており、MR船型フレートがさらに上がる見込みだという。そのような状況を反映して、韓国8月下旬積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は、シンガポール市況(0.5%S)に対し40.00ドルのディスカウントへと下落しているとみられている。一方、台湾中油(CPC)は、8月積み低硫黄重油を入札を通じて販売した。価格はFOBベースで同市況に対し60.00ドル程度のプレミアムだった。
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