LNG=7月18~22日:KOGASの大量購入でセンチメントが強気に
【DES北東アジア】 韓国ガス公社(KOGAS)は20日、個別交渉をとおして10月~3月着を合計14カーゴスポット購入したもよう。売り手などの詳細は不明ながら、同社は一部のカーゴを固定価格で購入したとみられている。韓国ではこのところ気温の高い日が続き、電力需要が増加しているため、発電用のガス需要が強まっている。加えて、KOGASが長期契約でLNGを引き取っている豪プレリュードプロジェクト(年産390万トン)からの出荷停止が長期化しているうえ、サハリン2プロジェクト(同1,080万トン)に対する供給懸念も根強い。そのため、KOGASは需要期となる冬場に向けて、カーゴの確保を急いでいるようだ。市場関係者によると、在庫の見通し次第では、KOGASが10月~3月着を10カーゴ程度、追加購入する可能性があるという。このほか、台湾中油(CPC)が9~10月上旬着の買付けを検討するとともに、日本の電力会社も9~10月着のスポット購入に動いている。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 欧トレーダーをはじめとしたポートフォリオプレーヤーが中東出しを頻繁に購入している。エジプト国営ガス会社(EGAS)が7日に応札を締め切った、7月19日ダミエッタプロジェクト(年産500万トン)積みの販売入札は、欧トラフィギュラがFOBベースで落札したもよう。トラフィギュラは、EGASが5日応札の締め切りで実施していた販売入札も落札していた。対象は7月14~15日ダミエッタプロジェクト積みだった。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 欧州では、ロシア産ガスをドイツに輸送するパイプラインであるノルドストリーム1が21日に定修を終了し、操業を再開した。ただ供給量が先週時点で公称能力の30~40%にとどまっているうえ、露プーチン大統領は供給を減らす可能性があると述べている。そのため、供給不安は払しょくされていない。20~21日の市場では、9月着の買唱えが蘭TTF天然ガス相場対比15.00ドルのディスカウントで寄せられた一方、売唱えは同比10.00ドルのディスカウントで聞かれた。売買双方のプレーヤーが互いに歩み寄ることを躊躇っており、期近着の商談に進展は見られない。
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