LPG= 7月11~15日:原油安と潜在的な売り手の多さが重し
CFR極東:
先週の極東着相場は原油安と潜在的な売り手の多さが弱材料視され軟化した。Rim Asia Indexは14日時点で、プロパンが722.50ドルと8日比29.75ドル安、ブタンは722.50ドルと同29.75ドル安となった。8月後半着は、複数の売り手に販売余地がある。トレーダー勢がプロパン2万3,000トンを抱えており、一部の売り手は8月極東着市況1~2ドルのプレミアムで販売打診していると伝えられた。加えて、プロパン4万6,000トンの売りものも散見されている。一方、買い手も現れており、韓国のE1は買付け入札を通じ、8月9~18日着プロパン2万3,000トンを華北輸入1社から8月極東着市況対比1けた台前半のディスカウントで購入した。中国着市場では、プロパン脱水素装置(PDH)操業2社が8月後半着以降の買付け入札に動き、東南アジア向けでも、ヒョソンベトナム化学が8月着プロパン4万6,000トンを対象とした買付け入札を実施した。
FOB中東:
原油安を受け、8月CPはプロパン680ドル前後、ブタン680ドル前後に下方修正されている。アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油(ADNOC)が12日、8月積みのアクセプタンスを通達した。極東輸入1社は1週間前後、他の極東輸入1社は2~3日と全体的に前倒しが発生したようだ。前倒しの発生を受け、ADNOCの在庫がやや高いとの見方が広がっている。他の中東産ガス社も高在庫を抱えているとみられる。カタール産ガス1社が水面下で、8月初め積みまたは8月後半積みのプロパン4万4,000トンを販売したとの情報が伝えられたが、買い手や価格は明らかになっていない。中東産ガス社の高在庫を招いた背景として、インド国営輸入業者勢が8月積みターム玉のマイナストレランスを行使しているためとの指摘も寄せられた。
日本国内:
陸上市場では、京浜の7月渡しの商談水準でプロパンが111,100~111,500円と横ばいだった一方、ブタンが109,900~110,300円と小幅下落した。需給緩和を受けた。8月CP予想の大幅な下方修正を受けて、買い手は購入に関心を示していない。プロパン、ブタンともに実需が全体的に弱いことも弱材料。一方、一部のディーラーが今後、売唱えを引き下げる可能性がある、との見方が寄せられた。