電力=7月4~8日:東西ともにスポット価格は急落、猛暑緩和で
7月4~8日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東西ともに急落。前週の厳しい猛暑も解消されたほか、定期点検などで停止していた火力発電も複数再開したことで、供給余力に厚みが生じ、潤沢な売りが投入され、スポット価格も下押し圧力が強まった。売り入札量は、6日以降、10億kWhを超える量が投入され、買い入札量との差も縮小傾向となった。週初めこそ、東日本の高値は80円台や70円台を付けたが、売り札が10億kWhを超えた6日受渡以降は40円台にとどまった。 ただ、燃料相場は騰勢を強める動きとなり、北東アジア市場のLNG相場はmmBtuあたり40ドル超、豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は400ドルに迫るなど、燃料高が電力スポットの下値を底堅くする材料になったと見られる。
週を通じた実勢高値は、4日の東日本で付けた81.00円、実勢安値は4日の九州で付けた0.01円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比7.33円安の33.77円、東北が同7.57円安の34.25円、東京が同25.24円安の34.37円、中部が同9.70円安の28.55円、北陸と関西が同9.33円安の27.62円、中国が同4.88円安の27.62円、四国が同5.01円安の27.43円、九州が同0.69円安の19.87円だった。 売買入札量の週間平均は、前週比で売りが9.0%増の10億1,049万7,910kWh、買いが5.8%減の11億3,862万5,130kWhとなった。約定量の週間平均は、前週から5.8%増の9億1,686万240kWhだった。売りが増え、価格が下落したため、約定量が増えたと見られる。
7月4~8日の9エリアの電力需要は133億2,233万2,000kWhとなり、前週6月27日~7月1日の143億3,053万6,000kWhから7.0%減少した。なお、曜日を合わせた前年の7月5~9日の需要実績は126億4,642万8,000kWhで、前年からの増加率は5.3%となった。
7月4~8日のJEPXの先渡市場では、約定がなかった。
7月4~8日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
7月4~8日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
11日の週も、猛暑は落ち着く見通しとなり、需要見合いによる価格上昇の動きは限定的と見られる。ただ、雲の多い日が続く見通しで、太陽光はあまり期待できないと見られるため、騰勢を強める燃料高の影響が価格にも波及する可能性がある。火力発電などのトラブルがなければ、ベース価格は東日本が30円前後、西日本が20円台後半で推移するとの見通しも聞かれている。
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