LNG=7月4~8日:イクシスプロジェクト、定修実施で7月の供給量は大幅減へ
豪州のイクシスプロジェクト(年産890万トン)の供給が停止した。DFDE型「タングーパルン」号(容量15万5,000立方メートル)へ6月26日に1カーゴが供給されて以来、出荷が途絶えた。同プロジェクトのオペレーターを務めるINPEXが、7月1日~8月5日の間、2基ある液化系列の定修を実施した影響を受けた。イクシスプロジェクトでは、JERAや台湾中油(CPC)など長期契約者向けに毎月10~12カーゴが供給されており、INPEXは予め、契約者に対して7月の供給減少を伝えていた。欧系トレーダーは「長期契約者が年間供給計画(ADP)を決める際、今回の定修が予定されていたことから、INPEXが6月や8~9月積みの契約者向けの供給を増やした可能性が大きい。このため、6月以降のINPEXによる供給余力が大きく落ち込んだため、スポット販売を控えた」と指摘した。
エジプト国営ガス会社(EGAS)が7月5日に締め切ったダミエッタプロジェクト(年産500万トン)で7月14~15日に船積みする1カーゴを対象とした販売入札は、欧トラフィギュラがFOBベースで落札した。価格は8月限の蘭天然ガス相場(TTF)に対し9.00~10.00ドルのディスカウントとなった。EGASは新たに7月7日締めで販売入札を開示した。対象は7月19日にダミエッタプロジェクトで船積みする1カーゴだった。
アルゼンチン国営IEASAを除く南米需要家は、7月後半~8月着のスポット購入に消極的な姿勢を示した。ブラジルの国営ペトロブラスは7月入り後、1カーゴしか受け入れていない。米サビンパスプロジェクト(年産3,000万トン)出しのパーシャルカーゴを積載したX-DF型「ビバートシティLNG」号(容量17万4,000立方メートル)が7月4日にバイア基地(年間受入能力370万トン)に入着しただけだった。6月以降、雨季の降水量が多かったことから水力発電が好調だったため、発電用LNGの需要が限られた。 |