電力=6月27日~7月1日:電力スポット急騰、記録的な猛暑続きで需給逼迫
6月27日~7月1日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東西ともに急騰した。全国的に記録的な早さで梅雨明けを迎えたなか、広い地域で記録的な猛暑が続いたことで電力需給の逼迫懸念が強まり、東京エリアでは27日から4日連続で「電力需給逼迫注意報」が発令。こうした状況を受け、東京エリアは29日受渡で1年半ぶりに200.00円の高値を付けるなど価格押し上げ圧力が強まった。30日3時には、東京エリアに30万kWを供給する常磐共同火力の勿来石炭火力9号機(定格出力60万kW)が不具合で停止したことから、さらなる需給逼迫懸念が強まり、1日受渡の東京エリアはベース価格が74.16円に達した。なお、ほかのエリアでも週を通じて夕方に100円以上の高値を付けるなど、猛暑に翻弄される一週間となった。
週を通じた実勢高値は、29日から1日の東京エリアで付けた200.00円。一方、実勢安値は0.01円で、九州が27日から1日のいずれも付けたほか、30日は1コマながら北海道でも付けた。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比19.81円高の41.10円、東北が同20.59円高の41.82円、東京が同35.82円高の59.61円、中部が同17.62円高の38.25円、北陸と関西が同16.50円高の36.95円、中国が同13.27円高の32.50円、四国が同13.21円高の32.44円、九州が同1.35円高の20.56円だった。 売買入札量の週間平均は、前週比で売りが2.0%減の9億2,730万2,200kWh、買いが17.0%増の12億842万5,710kWhとなった。約定量の週間平均は、前週から3.1%増の8億6,674万6,470kWhだった。
6月27日~7月1日の9エリアの電力需要は143億3,053万6,000kWhとなり、前週6月20~24日の124億6,372万9,000kWhから15.0%増加した。なお、曜日を合わせた前年の6月28日~7月2日の需要実績は119億4,370万2,000kWhで、前年からの増加率は20.0%となった。
6月27日~7月1日のJEPXの先渡市場では、約定がなかった。
6月27日~7月1日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
6月27日~7月1日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
7月の需要期に入り、電力需要の高まりからスポット価格も強基調で推移する日が続くと見られるものの、4日の週は前週までの記録的な暑さが和らぐため、スポット価格も前週に付けた100円超の極端な高値はいったん収束する見通し。加えて、火力発電の供給力も上積みされることも価格高騰を抑制する材料となりそう。ただ、LNGスポットをはじめとする燃料高が続いているほか、買い手によるインバランスを避けるための高値買いが続くとの見方も出ており、「当面は東京でベース価格の30円割れは厳しいのではないか」(新電力の市場取引担当者)との声も聞かれている。
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