アジア石油製品=6月27日~7月1日:0.3%S重油は上昇、発電用需要拡大で
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場はもち合い。中国の石油会社による7月の輸出予定量は合計28万トン程度にとどまりそうだとの情報が聞かれる。中国の石油会社は石油製品の輸出割当量が限られているため、輸出を抑えている。成約の時期は不明ながら、大連西太平洋石油化工(WEPEC)が7月9~11日積みとして93RONガソリンMR船型を販売していたことが判明した。韓国では、SKエナジーが7月中旬積みとしてMR船型の売り物を抱えているものの、買い手が見つからず、販売を見送ることも検討している。需要面では、ベトナムのペトロリメックスが30日、7月1~20日積みの95RONガソリンMR船型の買付け入札を締め切った。応札価格の有効期限は7月1日。ナフサ価格に値ごろ感が強まっているなか、シンガポール市場ではガソリンのブレンディング用としてハイオクタンガソリンの需要が増えているため、95RONガソリンなどの供給に引き締まり感が強まっている。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、韓国勢による調達が確認されている。ロッテケミカルは、8月前半着および8月後半着ナフサ(パラフィン比率70%)それぞれ1カーゴをカーゴ到着45日前評価で日本市況に対し5.5ドルのプレミアムで購入したもよう。また、LG化学は、8月着ナフサ(パラフィン比率70%)を同市況に対し3.0ドルのプレミアムで買い付けていたようだ。一方、YNCCは、8月着品の買付け入札を実施しないと伝えられている。域内の市場関係者によると、オープンスペック・ナフサとライトナフサの価格差は、ライトナフサのパラフィン比率が80%でもほぼ同水準という。背景には、ナフサに対するエチレンのクラックマージンが100ドル台後半まで悪化しており、エチレンの基材となるライトナフサの需要が大きく後退していることがある。売り手はオープンスペック・ナフサと同等かそれ以下の安値でもライトナフサの売り気を示している。日本では、昭和電工が来週ころに8月後半着品の買付け入札を実施する見通し。三井化学は、8月千葉向け品の買い気をいまのところ示していない。
中間留分 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は弱含み。需要減退が相場を下押した。フレートが高止まりしていることから、アジアから欧米向けのアービトラージが閉じており、域外向けの買いが後退している。そのうえ、先物価格の期先安を嫌気し、7月下旬積みカーゴについて買い気が薄い。中国では、中国海洋石油(CNOOC)がこれまでに7月上旬と中旬積みとしてそれぞれMR船型を販売していたことが判明した。このカーゴは硫黄分が0.001%と低く、軽油とのブレンディング用に使用される可能性があるという。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場上伸。需給引き締まりを反映した。韓国でもこのところ急激に気温が上昇し、発電用重油の需要が拡大するとの期待が台頭。製油所は精製マージンの好調な軽油の得率を上げ、低硫黄重油の生産量が相対的に減少している。加えて重油カーゴよりも割高なバンカー向けVLSFOでの販売を優先することから、電力向け0.3%S重油のスポット余力が低下している。このため相場の基調は強い。
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