アジア石油製品=6月20~24日:ガソリン需給逼迫の兆し、中国の輸出減とインド輸入増で
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は横ばい。ただ、供給に引き締まり感が台頭している。中国からの7月の輸出量が、130万トン程度と見込まれる6月より大きく減少する可能性があるとの指摘が聞かれる。中国石油化工(シノペック)は7月積みでは石油製品の輸出を見送る方針のようだ。このところ、同社系列の製油所で事故が相次いでいたことが背景にありそうだ。また、今年2回目の石油製品の輸出割当量が不透明なため、いまのところ他の石油会社の割当量も不充分とみられる。また、インドの石油会社が二次装置のトラブルなどを背景に、ガソリンの輸入に踏み切っていることにより、供給が一段と引き締まりそうだとの声も聞かれる。インド国営石油会社(IOC)は先週、6月下旬~7月上旬着として92RONガソリンMR船型4カーゴの買付け入札を実施していた。
ナフサ 北東アジアの市場関係者によると、日本着ヘビーフルレンジナフサの市況連動相場は、高品質なグレードで日本市況に対し20ドル台前半のプレミアム、品質が劣るもので同市況に対し10ドル台のプレミアムと伝えられている。一方、ライトナフサ相場は、同市況に対し1けた台前半のディスカウントと変わらず。ただ、CFRベースの取引水準は底値を打ちつつあるという。韓国では、一部の石化メーカーがナフサクラッカーの稼働を引き上げる見通し。一方、ナフサに対するエチレンのクラックマージンは改善しておらず、製油所の高稼働に合わせて生じたナフサの消化を進めているだけとの指摘も聞かれる。依然として、同国や中国、台湾などのナフサクラッカーの平均稼働率は80%程度にとどまっていると市場関係者はみている。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は切り下がった。需要減退が相場を下押した。シンガポールの先物市場で、7月と8月限の月間価格差は大幅な期先安で推移しているため、需要家は月間価格差のリスクを回避したいとの意向から、7月下旬積みカーゴの買いを抑えている。また、フレートが高止まりしていることも、FOBベースの相場に下押し圧力を強めている。需要面では、インドから期近品の買いが出ている。インド国営石油会社(IOC)は21日、6月24~27日と28~30日着としてMR船型4カーゴの買付け入札を行った。バハラット石油(BPCL)も21日に6月30日~7月5日着としてMR船型の買付け入札を実施した。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は軟化した。供給増が影響した。韓国では、石油各社が製油所の定修期を終え、秋ごろまで低硫黄重油の生産も盛んになる見込みで、供給余剰感が生じている。また、石油会社は需要を獲得しようと安値での販売を許容しているもよう。
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