LNG=6月20~24日:少雨で日本向け需要が増加観測
【DES北東アジア】 日本では、雨期入りした後も西日本を中心に雨量の少ない状態が続いた。気象庁によると福岡市の直近30日間の降雨量は平年の75%、愛媛県松山市では同54%、広島市でも55%と各地で平年に比べ30~50%減少した。これら少雨を受け、四国では松山市の石手川ダムを始め複数のダムで取水制限が実施されるとともに、西日本では工業用水の供給不足が強まり始めた。石炭火力発電所向けの工業用水の不足が長期化すると発電設備の復水器で使用する冷却水が不足し、発電設備の稼働を切り上げられない状態に陥ることが出てくることから、LNGを燃料とした発電設備への依存度の高まりを危惧する関係者が見られた。さらに日本企業は「西日本や、関東を中心とした東日本では、今しばらく雨量が少なく気温の高い日が続く見通しであり、6月末には実質的な梅雨明けを迎える可能性が大きくなっている」と指摘した。四国電力は6月24日時点で夏場着の追加購入を見送るとともに、九州電力、中国電力がスポット購入を控えているものの、スポット玉を抱えるトレーダーは「日本向けの需要が今後、大きく増える可能性も出てきている」と伝えた。 【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 アラブ首長国連邦(UAE)のADNOC LNGが6月24日締めで2023年1月~2024年12月にダス島プロジェクト(年産560万トン)で船積みする合計12カーゴを対象とした販売入札を開示した。ADNOC LNGは今回、FOBベースに加えDESベースでの販売も可能とした。ブレント原油価格に連動した価格による応札を希望した。ADNOC LNGは6月9日締めで2023年4~9月と2024年2月、4月、6~9月に船積みする各月1カーゴの販売を対象に関心表明書(EOI)の提示を募っていた。ADNOC LNGは2019年3月起こしの3年契約でJERAや一部のプレーヤーと結んでいた短期契約が2022年3月に満了となったため、期先積みの供給余力を抱えた。 【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 英BP が6月8日の火災事故以来停止している米フリーポートプロジェクト(年産1,500万トン)の供給について不可抗力条項(フォースマジュール)を宣言した。BPは第2液化系列(年産500万トン)の権益を保持しているうえ、年間440万トンの長期契約カーゴを引き取っている。 |