電力=6月6~10日:関東の梅雨入りで東は上昇、西は下落し東高西低拡大
6月6~10日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東日本が上昇した一方、西日本が下落した。東日本は週を通じて雨雲に覆われ、太陽光発電が限定的となった一方、西日本は晴れる日が多かったため、太陽光発電が潤沢となった。東西の太陽光発電の動向の違いが価格動向に大きく影響した。週間平均価格の東西値差は、前週が1円超の東高西低だったが、6~10日は4円近い東高西低となった。 関東甲信は6日に梅雨入りが発表され、九州南部より早く梅雨入りしたのは17年ぶりだという。なお、西日本の梅雨入りは11日ごろと予想されている。 8日には関西電力の高浜原発4号機(定格出力87万kW、PWR型、福井県高浜町)が、予定どおり定期点検に入った。また、工業用水不足の影響で5月後半から稼働停止や出力低下を余儀なくされた、JERAが中部エリアで運用する碧南石炭火力発電所(1~5号機、定格出力計410万kW)では、5基のうち出力低下を実施した1号機(70万kW)と4号機(100万kW)が4日に通常運用に復帰し、稼働停止となった2号機(70万kW)が7日に復帰した。
週を通じた実勢高値は、6日に北海道、東北、東京の東日本3エリアで付けた26.41円だった。一方、実勢安値は0.01円で、8日は九州、9日は北陸、関西、中国、四国、九州の西日本5エリアでそれぞれ付けた。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比2.88円高の20.16円、東北が同2.93円高の20.17円、東京が同1.04円高の20.17円、中部が同0.93円安の17.04円、北陸、関西、中国、四国の4エリアが同1.71円安の16.04円、九州が同0.75円安の14.45円だった。 売買入札量の週間平均は、前週比で売りが0.3%増の9億6,222万690kWh、買いが1.4%増の9億2,623万7,160kWhとなった。約定量の週間平均は、前週から0.5%増の8億951万4,420kWhだった。
6月6~10日の9エリアの電力需要は109億8,390万8,000kWhとなり、前週5月30日~6月3日の111億1,911万9,000kWhから1.2%減少した。なお、曜日を合わせた前年の6月7~11日の需要実績は117億4,797万4,000kWhで、前年からの減少率は6.5%となった。
6月6~10日のJEPXの先渡市場では、6日に東京エリアで2件の約定があった。いずれも6月11~17日受渡で、週間24時間型が23.82円で1MW、週間昼間型(平日8~18時)が23.53円で1MWだった。
6月6~10日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
6月6~10日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
6月第3週は、梅雨入りの動向によって西日本が底上げの動きとなりそう。初めに触れたように、西日本では11日ごろに梅雨入りが予想されており、梅雨入りした場合、太陽光発電が減少傾向となるため、昼間価格の押し上げ要因になると見られる。一方、2月21日に定期点検に入った九州電力の川内原発2号機(定格出力89万kW、PWR型、鹿児島県薩摩川内市)が、13日に発電を再開する予定。11日に原子炉を起動し、12日に臨界に達する見通しとなっている。
|