石油化学=6月6~10日:芳香族製品一段高、米ガソリン基材不足受け
【アロマティクス】
北東アジアの芳香族製品相場は前週からさらに水準が切り上がった。製油所の定修が多いうえ、ガソリン需要が好調なため芳香族製品はガソリン基材として利用されている。加えて、米国のトルエン、ミックスキシレン相場高を受けて、アジア品が米国向けに輸出されていることも需給のタイト感を強める要因となっている。また米国ではベンゼン価格も急騰しており、韓国積み相場も高値圏での推移が続いている。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は前週から弱含んだ。中国の上海で実施されていたロックダウンが解除され、誘導品相場は上昇基調となっているものの、エチレンの需要が回復する様子はみられない。北東アジアのエチレンメーカーが販売余力をみせているほか、台湾の誘導品設備でトラブルが発生したことで、エチレンに余剰が生じた。当週の取引では、北東アジア着の玉が1,030ドルと1,000ドルで成約された。
アジアのプロピレン市場は様子見ムードが強い。
北東アジア市場では、売り手の販売圧力が解消されており、取引を急いでない。一方、需要家の買い気があるものの、具体的なアイデアが見られない。
韓国では、設備の減産が続いているうえ、原料コストが高いため、一部石化メーカーはスポット市場で買い付けて誘導品設備の稼働を維持することを検討している。
アジアのブタジエン市場は堅調に推移。
北東アジア市場では、供給タイト感が続いており、売り手は強気姿勢を見せている。一方、需要家は買い気があるものの、先行き相場に不透明感があると市況連動価格での交渉を望んでいる。
東南アジア市場では、タイPTTGCが7月積みの販売入札を実施した。