電力=5月30日~6月3日:東は太陽光増で軟化、西は小動き
5月30日~6月3日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東日本が下落した一方、西日本は小動きだった。東日本では、週を通じて天気に恵まれる日が多かったため、前週に比べ太陽光発電が増え、昼間価格の上値を抑えた。一方、西日本は前週と同様、天気に恵まれる日が多く、太陽光発電も比較的潤沢となったため、前週並みの価格となった。 なお、夕方以降の昼間価格は前週から変化に乏しく、20円台前半から半ば程度となり、燃料見合いの価格で推移した。夜間価格も引き続き、東西で17~18円台程度で推移した。
週を通じた実勢高値は、1日にシステムプライスで付けた25.98円だった。一方、実勢安値は0.01円で、30日は北海道と東北、31日は九州、1日は北海道と東北、2日と3日は九州でそれぞれ付けた。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比0.59円安の17.28円、東北が同0.64円安の17.24円、東京が同1.16円安の19.13円、中部が同0.04円安の17.97円、北陸が同0.07円高の17.75円、関西、中国、四国が同0.14円高の17.75円、九州が同0.35円高の15.20円だった。 売買入札量の週間平均は、前週比で売りが2.7%増の9億5,952万400kWh、買いが1.0%増の9億1,320万8,220kWhとなった。約定量の週間平均は、前週から1.4%増の8億534万1,960kWhだった。
5月30日~6月3日の9エリアの電力需要は111億1,911万9,000kWhとなり、前週5月23~27日の110億5,394万kWhから0.6%増加した。なお、曜日を合わせた前年の5月31日~6月4日の需要実績は111億4,785万2,000kWhで、前年からの減少率は0.3%となった。
5月30日~6月3日のJEPXの先渡市場では、30日と1日に東京エリアでそれぞれ1件ずつの約定があった。いずれも6月4~10日受渡の週間24時間型で、価格は23.50円、約定量は30日が5MW、1日が1MWだった。一部の市場関係者からは「若干割高な印象」(新電力の需給担当者)との声が聞かれた。梅雨入りに伴う太陽光の減少が意識されたようだ。
5月30日~6月3日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
5月30日~6月3日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
6月第2週も、あまり価格動向に変化はないと見られる。引き続き、太陽光発電の動向が価格に大きく影響すると見られ、週前半は全国的に天気が悪い見通しとなっているものの、週半ば以降には晴れ間も広がる予報。現時点の予報では、梅雨入りはまだ先になりそうだ。なお、気温は週を通じて今週より低めに推移する見通しのため、太陽光の動向に沿う形で価格も変動すると見られ、週後半に向け価格は右肩下がりになると見られる。ただ、6月8日には関西電力の高浜原発4号機(定格出力87万kW、PWR型、福井県高浜町)が定期点検に入るため、価格動向にどの程度影響するか注目される。
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