電力=5月23~27日:前週比で東が上昇し西が下落、太陽光が影響
5月23~27日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東日本が上昇した一方、西日本が下落した。東西で異なる気象動向となった日が多く、太陽光発電の増減の違いがスポット価格に大きく影響した。このため、日中時間帯の価格で東西値差が拡大傾向となったものの、夕方以降の昼間価格や夜間価格は東西値差も拮抗し、夕方以降の昼間は20円台前半から半ば、夜間価格は東西ともに17~18円台で推移する日が多くなった。
週を通じた実勢高値は、26日に全9エリアとシステムプライスで付けた27.00円だった。一方、実勢安値は0.01円で、23日は西日本6エリア、24日と26日は北海道と東北、25日は北海道、東北、九州、27日九州でそれぞれ付けた。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比1.69円高の17.87円、東北が同2.14円高の17.88円、東京が同0.60円高の20.29円、中部が同0.76円安の18.01円、北陸が同1.09円安の17.68円、関西、中国、四国が同1.16円安の17.61円、九州が同0.23円安の14.85円だった。 売買入札量の週間平均は、前週比で売りが3.9%減の9億3,397万2,490kWh、買いが0.5%減の9億405万5,110kWhとなった。約定量の週間平均は、前週から0.1%減の7億9,423万6,690kWhだった。
5月23~27日の9エリアの電力需要は110億5,394万kWhとなり、前週5月16~20日の107億2,687万4,000kWhから3.0%増加した。なお、曜日を合わせた前年の5月24~28日の需要実績は108億3,563万9,000kWhで、前年からの増加率は2.0%となった。
5月23~27日のJEPXの先渡市場では、27日に東京エリアで1件の約定があった。6月4~10日受渡の週間24時間型で価格は24.00円、約定量は5MWだった。足元の先物価格と比べ割高な水準だが、東京エリアでは6月4日の梅雨入りが予想されているため、太陽光の減少により一段高を警戒した約定となったようだ。
5月23~27日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
5月23~27日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
5月最終週および6月第1週も、太陽光発電の動向が価格に大きく影響すると見られる。週を通じて雲の多い天気が予想され、太陽光発電はあまり期待できそうにない。加えて、最高気温は25度以上で推移する地域が多いため、蒸し暑さから空調需要は増加傾向となる見込み。こうした気象動向を映し、価格は底上げ傾向になると見られ、日中時間帯でも20円前後のコマが増えそうだ。なお、民間気象会社の予想では、5月30日から6月4日までに、九州から関東での梅雨入りが予想されており、太陽光発電の減少に伴い6月の価格は底上げの動きが進むと見られる。
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