LNG=5月23~27日:北東アジア着相場、週の後半は欧州着につれ高
【DES北東アジア】 北東アジア着相場は週の前半、潤沢な供給を背景に軟化した。北西豪州大陸棚プロジェクト(NWS、年産1,630万トン)出しの7月中旬から下旬積み数カーゴが今月半ばに販売されたほか、マレーシア国営ペトロナスが20日応札の締め切りで実施した入札を通じ、6月末および7月初め北東アジア着の2カーゴを、北東アジア着市況対比5セントのプレミアムで販売した。一方、東北電力は6月20~30日着1カーゴを22.00ドル台後半で調達。同社は20日応札の締め切りで、このカーゴを対象とした買付け入札を実施していた。相場はその後、週の後半に入ると、堅調な欧州着相場につられて上昇した。北東アジア着市場は商いが薄く、天然ガスの供給不安が残る欧州着相場の影響を受けやすくなった。 【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 先週は中東向けの需要が浮上してきた。国営クウェート石油(KPC)が25日、7月27~31日にアルズール基地(年間受入能力2,200万トン)へ到着する1カーゴを対象とした買付け入札を締め切った。KPCは従来、入札の締め切り日から1カ月以内に到着するカーゴを対象に買付けを行う場合が多かった。しかし今年は、夏場の相場高騰を警戒して買付けを前倒ししているようだ。昨年は7月着カーゴに対する買付け入札を、6月下旬から7月中旬にかけて2~3回実施していた。 【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 冬場を迎える南米向けの需要が強まっている。アルゼンチン国営のIEASAが23日応札の締め切りで実施した入札で、7月着の計12カーゴを調達した。同社はエスコバル基地(年間受入能力610万トン)向けの8カーゴと、バイアブランカ基地(同370万トン)向けの4カーゴを、欧トラフィギュラや仏トタルエナジーズから手当てした。一部のカーゴの落札価格は25.00ドルをわずかに下回った水準、もしくは7月蘭天然ガス相場(TTF)対比4.00ドル前後のディスカウントだった。加えて、価格など詳細は不明ながら、コロンビアのカラマリLNGも24日締め切りの買付け入札を通じ、6月1~15日着の少量カーゴを調達した。 |