石油化学=5月9~13日:プロピレンが軟調、マレーシアの設備再開などで
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は大幅高となった。米国ベンゼン相場の上昇により、アジアから米国向けのアービトラージが開いていることを受けた。北東アジア着のパラキシレン(PX)相場は原料コストの指標となるミックスキシレン(MX)相場の上昇もあり、強含んだ。MXはメーカーがガソリン基材向けの消費量を増やしており、品薄感が強い。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は弱含んだ。需給の緩みを受けた。エチレン設備は定修や減産を実施しているものの、中国の都市封鎖に伴い需要は低迷している。また、日本の誘導品設備でトラブルが発生したことも余剰感が生じる要因となった。北東アジア着の取引では、前週末までに5月後半中国着が1,140ドル台で成約されたと伝えられた。当週の初めには6月中国着が1,172ドルで成約されていたようだが、その後買い気は後退しているとの指摘が聞かれる。
アジアのプロピレン相場は下げ基調となった。
北東アジア市場では、中国需要家の買い気が乏しいうえ、日本向けの需要も見られなくなったため、相場の基調が弱まった。
東南アジア市場では、Prefchemの設備が5月に再開する予定であるうえ、タイおよびフィリピンメーカーともに売り物があるため、供給タイト感が後退した。
アジアのブタジエン相場は強含んだ。
北東アジア市場では、韓国向けの需要が増えているほか、日本向けも買い気が見られることを受け、相場の基調が強まった。このなか、今週中国品が韓国向けに成約される動きが見られた。
東南アジア市場では、売り手が5月積みの販売をほぼ終えており、6月積みは取引を急いでいない。