アジア石油製品=1月5~7日:軽油は強含み、中国の輸出割当量の少なさ好感
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は強含み。供給減の見通しが相場を押し上げた。中国からの輸出が引き続き少なさそうなため、北東アジアの供給に引き締まり感が出ている。中国では今年第1回目の石油製品の輸出割当量を昨年の1回目に比べて半分ほどに減少している。中国では先週初め、大連西太平洋石油化工(WEPEC)が1月17~19日積みとして93RONガソリンMR船型を販売している。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し20セント強のプレミアムと伝えられた。2月積みのスポット取引では、台湾フォルモサ石油化工(FPCC)が6日、入札を通して2月14~18日積みの93RONガソリン25万バレルを販売した。価格はFOBベースで同市況対比1.30ドルのプレミアムと伝えられた。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、韓国勢による2月着品の調達がみられる。ただ、アジアの市場関係者は、日本着ナフサの市況連動相場は弱含んでいるとみている。要因として、エチレン基材としてのナフサ需要が後退していることが挙げられる。ナフサに対するエチレンのクラックマージンは300ドルを下回っている。LG化学は、ナフサクラッカーの稼働率を80%程度まで引き下げており、今後そのほかの石化メーカーもナフサクラッカーの稼働を引き下げそうだ。
中間留分 北東アジア積みの軽油は強含み。供給の引き締まりが相場を押し上げた。中国では今年第1回目の石油製品の輸出割当量を昨年の1回目に比べて半分ほどに減少している。このため、中国からの輸出が少なくなる見通しで、北東アジアの供給に引き締まり感が強まっている。台湾フォルモサ石油化工(FPCC)は6日、入札を通して2月20~24日積みのMR船型を販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し25セント前後のプレミアムと伝えられた。また、台湾中油(CPC)は5日、2月上旬と中旬積みとしてLR船型とMR船型をそれぞれ販売した。価格は、上旬積みがFOBベースで同市況対比50セントのプレミアム、中旬積みはFOBベースで同市況対比30セントのプレミアムと伝えられた。 一方、日本では複数の元売りが2月積みのスポット販売を予定しているものの、現段階では取引の情報が寄せられていない。そのうち1社は、1月末積みをFOBベースで同市況対比80セントのディスカウントで販売していたようだ。期近積みカーゴのため、買い手が限られ、割安な価格で取引されたとみられる。
重油 韓国積み0.3%S重油(SR船型)の市況連動相は変わらず。ただ、アジアの石油会社によると、2月着品相場は1月着よりもやや軟化しているとみられている。背景として、アジアの主要市場であるシンガポールの低硫黄重油相場が後退していることが挙げられている。一方、韓国のSKエナジーは、12月末に0.5%S重油1カーゴ(MR船型)・4万5,000トンを販売していたという。価格は明らかとなっていない。中国では、政府が2022年の第1回の石油製品の輸出割当量を発表。低硫黄重油は合計650万トンと前年の500万トンから増加となった。
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