アジア石油製品=9月20~24日:0.05%S軽油が堅調、東南アジアの需要増で
ガソリン 北東アジア積みは変わらず。10月積みについて、新たな売りが聞かれない。ただし、需要面では、インドネシア国営プルタミナが、10月着として92RONガソリン20万バレル型4カーゴの買付け入札を締め切った。応札価格の有効期限は24日。インドネシアでは新型コロナウイルスの感染者が減っているため、規制を緩和しているのは既報のとおり。これにより需要が増え、プルタミナはスポットの買いを徐々に増やしている。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、複数の韓国勢が先週、カーゴを調達していた。ハンファトタルは、10月および11月前半着ナフサ5カーゴを、グレードによって日本市況に対し1けた台のディスカウント~1けた台半ばのプレミアムで調達していたもよう。LG化学は、11月前半着パラフィニックナフサ(パラフィン比率75%)を同市況に対し5~7ドルのプレミアムで購入していたようだ。一方、域内では、エチレン相場がやや反落している。中国では環境規制対応によって誘導品を減産。これに伴いエチレン需要が縮小しているほか、同国発の大幅株安によって株式と同じリスク資産である原油相場が下落し、石油製品価格にも下押し圧力が強まっている。このためエチレンの基材であり、原油に連動しやすいナフサの市況も軟化する可能性があるとみる向きもいた。
中間留分 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。ただ、トレーダーの買い気が増え、相場は底固い。新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいるため、経済の回復と伴い需要も増えるとの見通しから、トレーダーはカーゴに対する引き合いを強めているようだ。0.05%S軽油の需要国であるベトナムでは、経済の回復を狙い、これまで実施していたロックダウンを解除する予定との声が聞かれる。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は前日から変わらず。中国では、今年のこれまでの重油輸出量は1,000万トン程度と前年同期比では減少している一方、独立系製油所によるVLSFOの基材となる0.5%S重油の輸入などは増えている。ただ、バンカー向けVLSFOの需要は割安なシンガポールへ移行しているもよう。台湾では、フォルモサ石油化学(FPCC)は、いまのところ10月積み品の販売入札を計画していないものの、高硫黄重油と熱分解油それぞれ1カーゴについては販売を予定しているという。
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