LNG=5月31日~6月4日:九州電力が夏場着のスポット玉を購入
九州電力が5月下旬以降、7~8月着1カーゴをスポット購入した。例年に比べ1カ月程度早い梅雨入りを受け太陽光による発電量が当初計画に比べ減少するとともに、石炭を燃料とする松浦発電所(出力100万kW)が、設備不具合の影響で4月16日から運転を停止していることから、代替としてLNG火力発電設備の稼働が高い水準に達しているようだ。都市ガス企業では、タンク繰りに余裕があると見られる大阪ガスが7~8月着のスポット購入を検討した。長期契約価格を下回る水準で売り物が表面化すれば買付けに動くと見られた。一方、関西電力は、追加で7~8月積みの販売に動くと見込まれた。天候に負うところが大きいものの、関西電力が供給余力を抱えているとの見方が有力となった。関電の原子力発電所では、美浜原発3号機(出力82.6万kW)が7月3日、大飯原発3号機(同118万kW )が7月5日にそれぞれ運転を再開する予定となっており、発電所向けのLNGが余剰になるとの見方が強まった。 【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 国営パキスタンLNG(PLNG)は2日、7月着4カーゴと8月着5カーゴを対象とした買付入札を締め切った。最安値の応札は、欧ビトールの7月12~13日着に対して11.6612ドル、英BPの7月28~29日着に対して10.2937ドル、カタールペトロリアムトレーディングの8月7~8日着に対して10.5100ドル、スイスのDXTコモディティーズの8月27~28日着に対して10.6900ドルだった。この他、伊炭化水素公社ENI、仏トタル、韓国の高炉大手のPOSCO、ペトロチャイナ、欧トラフィギュラが応札した。 【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 ブラジル国営ペトロブラスによる需要が目立った。同社はこれまでに、6月着としてすでに10カーゴを大きく上回るスポット玉を調達していたとの見方が寄せられた。ペトロブラスによる4月および5月着のスポット買いは7カーゴ前後に留まっていた。隣国ボリビアからのパイプラインガスの供給減が依然、同社の積極的なスポット買いに繋がっているとの見方が寄せられた。 |
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