電力=5月24~28日:東西ともに前週比で下落、太陽光の増加で
5月24~28日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週から東西ともに下落。前週に比べて晴れ間の日が多くなったため、太陽光発電が増加傾向となり、昼間価格の下押し圧力が強まった。なお、北海道-東北間を結ぶ北本連系線では、23日から新たに連系線の作業に入ったため、運用要量が60万kWに低下した。連系線の容量低下を受け、北海道エリアでは高値で30円や20円台を付ける日が出るなど、独歩高の日が続いた。ただ、28日夜には作業も終わり、運用容量も通常時の90万kWに戻るため、来週以降は価格も落ち着くと見られる。
週を通じた実勢高値は、24日に北海道で付けた30.00円、実勢安値は25日に九州で付けた0.01円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比0.37円高の8.77円、東北が同0.74円安の7.70円、東京が同0.81円安の7.77円、中部、北陸、関西、中国、四国の5エリアが同1.30円安の7.75円、九州が同1.77円安の7.11円だった。
5月24~28日の9エリアの電力需要は108億3,503万9,000kWhとなり、前週17~21日の111億589万8,000kWhから2.4%減少した。なお、曜日を合わせた前年の5月25~29日の需要実績は103億330万1,000kWhで、前年からの増加率は5.2%となった。
JEPXの先渡市場では、26日に1件の約定があった。関西エリアの昼間型(平日8時~18時受渡)で、5月29日~6月4日受渡が8.50円、数量は1MWだった。前週に約定があった関西エリアの週間物の昼間型では、5月22~28日受渡の約定価格が9.50円で30MWだったため、1円の値下がりとなった。5月31日の週の西日本の天気は、月~水曜日に晴れ間が予報されているため、太陽光発電が意識されたようだ。
5月24~28日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
5月24~28日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
5月31日の週も週前半は上値の重い展開が続きそう。前述のように、月曜~水曜は梅雨の合間の晴れ間が予想され、昼間価格は太陽光発電による下押し圧力が強まると見られる。ただ、引き続き停止中の火力発電は多いため、夜間価格は底堅い値動きが続くと見られるほか、発電設備の不具合停止や天気が急変した場合など、思わぬ高値を付ける可能性がある。 |