TOPPAN・ENEOS=古紙由来のバイオエタノール、製造実証を計画
TOPPANホールディングスとENEOSはこのほど、古紙を原料とした国産バイオエタノールの事業化に向けた実証計画を発表した。実装に必要なデータを収集するための「パイロットプラント」による実証運転を2026年度に行う予定。実証では採算性を確認し、2030年度以降の事業化を目指す。技術面では、防水加工の紙や複写用紙など再生の難しい古紙を原料とする「前処理」の工程で不要物質が適切に除去され、繊維分の豊富な原料となっているかを検証する。加えて、原料を化学的に分解する「糖化発酵」の工程でも、原料の連続投入とエタノールの抽出によって製造効率をより向上できるかについて調査する。 製品の製造から廃棄までの過程で二酸化炭素(CO2)の排出量が少ないバイオエタノールは近年、自動車燃料や化学品の原料、持続可能な航空燃料(SAF)の原料として注目されている。TOPPANとENEOSは2021年から古紙を原料としたバイオエタノール事業の立ち上げについて、小規模なスケールで検討を続けてきた。2026年度に実施予定の実証では1日に約1~3トンの古紙をパイロットプラントに投入し、約300リットルのバイオエタノールを生産する。パイロットプラントの建設地は未定。TOPPANは、前処理工程の開発と古紙の調達ルート構築を担当する。ENEOSはバイオエタノールの製造工程の開発と、バイオエタノールを活用した燃料製造技術の検討に取り組む。
(古紙を原料としたバイオエタノールの製造工程、イメージ) 図の出所: TOPPANホールディングス、ENEOS 発表資料(3月1日)
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