日機装=火力発電向け液体アンモニア用ポンプ、2026年に市場投入へ
日機装は23日、火力発電向けに液体アンモニア用ポンプを開発したと発表した。石炭火力のアンモニア混焼用として2026年にも市場投入する予定。新開発のポンプは、毒性と臭気を持つ液体アンモニアが外部に漏れないよう、配管以外のモーター部分などを液体に浸す「サブマージド(没液)構造」を採用。さらに、腐食性を持つ液体アンモニアに触れて機器が劣化することを防ぐため、「キャンドモーターポンプ」と呼ばれる構造により、モーターをポンプ内に組み込んで液体の流路から隔離し、密閉した。アンモニア液の送出機能では、高い汲み上げ能力(揚程)と、大きな吐き出し量(流量)が可能な「クライオジェニックポンプ」の技術を取り入れた。 日機装は1985年にクライオジェニックポンプの国産化に初めて成功し、現在、世界シェアの約50%を占めるという。これまでは、アンモニア冷媒の冷凍機や農業用肥料の製造プラントなどに向けて同ポンプを製造、販売してきた。液体アンモニアは燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため脱炭素燃料として注目を集めている。日機装は火力発電よりさらに高揚程・大流量が求められるアンモニア基地での受け入れや払い出し用に同ポンプを展開することも視野に置く。
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