首相=脱炭素支援の「GX経済移行債」を検討、20兆円を先行調達
岸田文雄首相は19日、総理官邸で「クリーンエネルギー戦略会議」に関する有識者懇談会を開き、席上、炭素中立型社会の実現に向けた投資を支援するため、政府資金の調達手段として「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債」の発行を検討すると発表した。脱炭素で今後10年間に必要な約150兆円の投資の中で、20兆円が必要とされる政府資金を先行して調達し、投資支援に回す構え。20兆円については裏付けとなる将来的な財源の確保を図り、調達と支援は一体的に検討する。支援は複数年度にわたる枠組みとし、予見可能性を高め、脱炭素に向けた長期の巨額投資の呼び水にすることを目指す。 首相は新エネルギーに関連して「規制・支援一体型の投資促進策として、省エネ法などの規制対応、水素・アンモニアなどの新たなエネルギーや脱炭素電源の導入拡大に向け、新たなスキーム(枠組み)を具体化させる」と述べた。加えて、企業の排出削減に向けた取組を加速させるためのGXリーグの段階的発展と活用、民間投資の呼び水としてトランジション・ファイナンス(移行金融)などの新たな金融手法の活用、アジア・ゼロエミッション共同体などの国際展開戦略も含め、企業の投資の予見可能性を高められるよう、具体的なロードマップ(工程表)を示すという。 一連の政策の具体化に向け、首相は今年夏に官邸に新たに「GX実行会議」を設置し、議論のうえで結論を得る考え。
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