東京海上=脱炭素支援の新保険開発、環境価値を補償
東京海上日動火災保はこのほど、サプライチェーン(供給網)の事故で生じる環境価値(*1)の減少を補償する「脱炭素サプライチェーン途絶対応保険」を開発した。新保険は二酸化炭素(CO2)排出量の削減に取り組む企業を対象に、供給網の事故で受ける環境価値の減少を補償することにより脱炭素の取り組みを支える。事故後に脱炭素の取り組みを再開し、復旧するための代替燃料の再調達費用などに加え、従来の保険では補償していなかった炭素クレジット(*2)への換金額が減少したことによる逸失利益なども企業に支払う。 一例としては、自家発電設備で使用するためCO2を排出しないアンモニア燃料を調達する際、アンモニア輸送船の事故が発生すれば、燃料を調達できなくなることが想定される。こうした場合、代替のアンモニア燃料調達の費用や、事故がなければ得られたはずの炭素クレジットの売却益が補償されるという。東京海上は、企業の供給網の実態を踏まえて個別に新保険を設計、提供する。新保険により企業の投資予見性を高め、社会全体での脱炭素取り組みや事業推進につなげたいとしている。
*:1: 脱炭素の取り組みの結果として、地球温暖化の一因とされるCO2排出量が削減されることで生み出される価値 *2: 脱炭素の努力によるCO2削減量をクレジットとして認証・発行し、ほかの企業や団体などとの間で売買できるようにする仕組み
図の出所: 東京海上日動火災保険 記者発表
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