2社共同=「家畜ふん尿由来」水素の供給会社を設立
エア・ウォーターの子会社であるエア・ウォーター北海道と鹿島建設はこのほど、北海道鹿追町で家畜ふん尿由来のバイオガスによる水素の製造・販売の供給会社を2月に設立し、4月から事業を開始すると発表した。新会社の水素製造設備の生産能力は1時間あたり約70Nm³(ノルマルリューベ、標準状態での気体の体積)、出荷設備の圧力が19.6MPa(メガパスカル)。水素ステーションの圧力は、燃料電池自動車用が70MPa、燃料電池フォークリフト用が35MPa。資本金1億円の出資比率はエア・ウォーター北海道が51%、鹿島が49%。
再エネの地産地消を推進 エア・ウォーターと鹿島は2015年から他の2社とともに共同で水素を製造、貯蔵、輸送、供給、利用するサプライチェーン(供給網)の実証を実施。環境省の委託事業として採択された同実証が終了する4月に商用化に移る。エア・ウォーター北海道と鹿島が設立した合弁会社「しかおい水素ファーム」は、家畜ふん尿の処理施設である鹿追町環境保全センターからメタン発酵により生成されたバイオガスの供給を受け、水素を製造する。家畜ふん尿由来の水素は国内初という。 販売方法は、(1)水素製造設備に隣接する定置型水素ステーションで燃料電池自動車(FCV)や燃料電池フォークリフトなどへの充填販売、(2)高圧容器で運搬し、鹿追町や近隣の施設の燃料電池への供給販売、(3)産業用水素として工場などへの供給販売―を予定。FCV、フォークリフト向けと燃料電池向けの販売地域はいずれも鹿追町内をはじめとする十勝地域や北海道内を想定し、再生可能エネルギーの地産地消を図る。
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