インドネシア=2022年にPKS関税の制度変更へ
インドネシア政府は2022年から、同国で荷積みされるPKSに課す関税の制度を変更する。インドネシア積みPKSには輸出税とパーム産業目的基金(レビー)の2種類の関税が課されているが、このうち輸出税の算定方法を変える予定だ。
輸出税は、インドネシア政府が毎月月末に発表するパーム原油(CPO)基準価格をベースに決定する。現行の制度では、CPO基準価格トンあたり750ドル以下から同1,250ドル以上の範囲で、50ドル刻みに12の区分を設けており、それぞれの区分に最低7ドルから最高30ドルの輸出税を設定している(表1)。月末に発表するCPO基準価格に応じて自動的に輸出税が決まる仕組みだ。12月積みではCPO基準価格が1,365.99ドルだったため、同価格が1,250ドル以上の場合に適用される30ドルが輸出税額となった。
表1. 現行制度のインドネシア積みPKS輸出税
インドネシア政府は2022年以降、12の区分はそのままで、それぞれに対応する輸出税の大幅な引き下げを検討している。新たな制度では輸出税が最低3ドルから、最高13ドルとなるようだ(表2)。現行制度上の税額と比べ、半分以上引き下げる計画だ。
表2. 2022年以降の新制度のインドネシア積みPKS輸出税
インドネシア積みPKSの関税については今年、パーム油の国際市況の高騰とともに上昇し、11月と12月に荷積みされるPKSに対しては現行制度上の最高額のトン当たり計33ドルが課された。高関税がインドネシア積みPKSの国際市場における競争力の低下を招き、使用する発電所にとっては関税の変動が発電事業へのリスクになるとして、現地の生産者協会や日本のバイオマス発電事業者でつくる業界団体がインドネシア政府に対し、減税や決定方法の見直しを求めていた。市場からの声に政府がようやく応えた格好だ。
関係者によると、新たな税制度の骨子は固まりつつあるものの、制度開始時期については不透明だという。2022年の幕開けとともに減税が開始される否か、市場関係者の注目が集まっている。
※バイオマス燃料の最新動向については、『バイオマスレポート』で詳しく取り上げています
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