尿素輸入動向=22年3月マレーシア産が急増、平均単価は続落
財務省が4月27日に公表した通関貿易統計によると、肥料や尿素水アドブルーなどの原料になる尿素の輸入は22年3月が4万161トンと、前月から1万9,099トン(90.7%)増加した。マレーシアからの輸入量の急増を映した。輸入平均単価はトンあたり91,019円と、前月からは4,930円(5.1%)続落した。
マレーシアからの輸入が急増したことが、輸入量全体を押し上げた。同国からの3月の輸入量は3万47トンと、前月、前年同月を2万トン超上回った。一方、輸出規制を継続する中国からの輸入量は6,573トンと、増加傾向がみられた前月から頭打ち。前年同月からは8,629トン(94.7%)減と、輸出規制前の水準には戻っていない。
一方、輸入量全体の平均単価はトンあたり91,019円と、前月から4,930円(5.1%)続落した。ほかの国と比べ相対的に割安なマレーシア産(同87,517円)の輸入量が急増、平均単価を押し下げた格好だ。中国産は同86,838円と、前月並みで推移した。
リム情報開発が発行する週刊『クリーンエネルギー』によると、尿素の日本着価格はロシアによるウクライナ侵攻の影響で3月に入り急騰したが、4月以降はやや軟調に推移した。ロシアへの制裁に消極的な消費国がロシア産尿素の購入を継続しているとされ、国際需給のタイト化懸念が和らいだもよう。ただし、急激なドル高円安の進行が円建て価格の下支えとなり、日本着価格は4月22日時点でトンあたり100,000円台を保った。
※『CROSSVIEW軽油』第98号(22年4月21日発行)でアドブルー関連記事「三井化学が尿素を値上げ、アドブルー市況に押し上げ圧力」を掲載しています。