尿素輸入動向=21年12月過去最低、中国産前年の5%止まり
財務省が28日に公表した通関貿易統計によると、肥料やアドブルーなどの原料になる尿素の輸入量は21年12月が1万657トンと、過去最低まで落ち込んだ前月からさらに2,742トン(20.5%)減少した。前年同月比では半分以下の水準だ。
10月15日から輸出を制限している中国からほとんど輸入できなくなった影響が大きい。12月の同国からの輸入量は514トンと、前年同月の約5%にとどまった。
世界的な尿素需給の逼迫などを受け、マレーシア産尿素の輸入量が前月から3,312トン(31.1%)、前年同月から1,846トン(20.1%)減少したことも響いた。
商社などが国内の尿素不足を補うため、直近数年間ほとんど実績のないベトナムから緊急的に1,049トン輸入したが、穴埋めし切れなかった。中国の代替輸入先の候補に挙がっているロシアやインドネシア産の尿素は12月には入ってこなかったようだ。
一方、輸入価格は前月からさらに上昇し最高値を更新した。トンあたり110,070円と、前月比7,178円(7%)高となった。前年同月の3倍以上だ。肥料やアドブルーなど尿素水の価格を押し上げる要因になる。
出所:財務省貿易統計
※『CROSSVIEW軽油』第92号(22年1月21日発行)でアドブルー関連記事「交通局向けアドブルー途中値上げ交渉が進行、採算悪化で納入拒否も」を掲載しています。
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