新春特集=アナリストの視覚と死角、原油相場をどう見たか➂
ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは、需要回復で底堅い展開になるとは予想したが、これほど急騰するとは思っていなかったと語る。需要面でワクチン普及に伴う主要国の経済活動正常化と、それによる原油需要回復ペースが予想よりも速かったことを挙げ、供給面でOPECプラスが価格上昇や米国の強い要請にもかかわらず、一貫して増産に慎重な姿勢を維持するなど、2021年初頭にはなかなか想定できなかったという。
石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストは、2021年前半を45~65ドル、後半を50~70ドルと予想し、上昇傾向自体は想定内としながらも、価格水準が大幅に上振れしたと語る。
想定以上の上振れ要因として、天然ガス価格が高騰した結果、重油など石油製品への燃料転換が起こったため、石油需要増加観測が原油相場に上方圧力に働いたとみる。個々の相場の関連性までは読み切れなかったようだ。
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