出光興産=SFのCIS薄膜太陽電池生産を終了、次世代型事業に転換
出光興産は12日、完全子会社ソーラーフロンティアの事業構造を改革すると発表した。同社が進めてきたCIS薄膜太陽電池の自社生産体制を結晶シリコン系太陽電池のOEM調達へと移行し、宮崎県の国富工場で生産していたCIS薄膜太陽電池を2022年6月末で終了する。
一方、CIS薄膜太陽電池の研究開発を出光興産の次世代技術研究所に集約し、CISの高付加価値化を目指した次世代太陽電池の研究開発を推進する。具体的にはCISの「高放射線耐性」を活かした宇宙空間での利用、さらに電動自動車や通信用ドローンに搭載したタンデム型太陽電池への活用方針を固めた。
ソーラーフロンティアは今後、設置が限定されている太陽電池パネルを設置拡大に向け機器やシステム、工法の開発を進めるほか、これまで蓄積済みのデータとその分析を活かし、O&Mや発電所評価、リパワリングなどのサービスを開発し提供する。さらにエネルギーマネジメントシステム事業の展開と強化を目指す。
CIS薄膜太陽電池の製造を終える国富工場は、今後も中核的拠点として太陽光発電システムの販売支援や品質保証、アフターメンテナンス、データ分析機関として存続する。
CIS薄膜太陽電池とは、ソーラーフロンティアが独自に研究開発をした銅(Copper)、インジウム(Indium)、セレン(Selenium)を主な原料とする太陽電池。
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