ANA、JAL=共同でSAF普及のレポートを策定、50年に2,300万klが必要
全日本空輸と日本航空は8日、持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel:SAF)の認知拡大や理解促進を目的に、共同で「2050年航空輸送におけるCO2排出実質ゼロへ向けて」と題するレポートをまとめた。航空分野でライバル関係にある二社だが、SAFの量産と活用について幅広く発信し、社会インフラとして航空輸送を次世代に継承するため政府や関係者と連携してSAFの普及に取り組み、その他のさまざまな環境対策等についても協力して推進していくという。
●SAFの位置づけ 同レポートによると、SAFはCO2排出量を従来の燃料より約80%削減することができるとし、2050年に航空輸送によるCO2排出実質ゼロを実現するために不可欠な代替燃料だと位置づけた。また、給油の際、既存のインフラをそのまま活用できる点でもメリットがあるという。 ●SAFの現状とマイルストーンの必要性 現状、SAFの世界の生産量は、需要の0.03%に留まっており、量産と普及が急務。2050年に環境目標を実現するには、航空輸送に関わる産業が横断的に協力してSAFの技術開発、生産および利用を加速させ、2030年には最低でも使用燃料の10%をSAFへ移行するマイルストーンが必要だという。 ●2050年には2,300万klのSAFが必要 航空輸送事業の成長率予測をベースにSAFを積極活用した場合、本邦航空会社の国内線と国際線および日本に就航する外国航空会社が日本の各空港で給油必要なSAFの量は、2050年にCO2排出量実質ゼロのために、日本で最大約2,300万klのSAFが必要との見通し。 ●アジア圏では、2050年に22兆円市場と予想 今後航空需要が大きく拡大すると見込まれるアジア圏のSAF市場は、2050年に約22兆円市場になると予想。 |