現時点での予測では、将来的に運用が期待されるLNG/LPGなどのガス燃料、アンモニア、水素などの脱炭素エネルギーの単価が、従来の重油燃料の価格を上回ることは間違いなさそうだ。燃料単価の上昇は、LNG燃料船の建造、供給インフラの整備に伴うコスト増とともに、脱炭素エネルギーへの移行に伴う問題として深く認識されている。

一方、燃料単価の上昇に伴って生じる「与信問題」については、あまり触れられていないようにみえる。与信とは文字通り取引先に「信用を供与」することだ。燃料を販売する石油元売り、商社、トレーダーは、需要家である船会社の信用状況に応じて与信枠の限度額(Credit Line)を設定しており、その枠内で「与信取引」が行われている...

※『バンカーレポート』、『CROSS VIEW重油』では脱炭素エネルギーへの移行に伴う問題点を定期的に取り上げております。