脱炭素エネルギーへの移行に伴う問題点
第10回「脱炭素エネルギーのコスト負担」
温室効果ガス(GHG)削減に向けた具体的な目標が掲げられ、脱炭素エネルギーへの関心が高まるなか、欧州天然ガス相場の急騰を受けたLNG相場は歴史的水準まで上昇している。欧州では、2020年秋口以降、相次ぐトラブルを受け、天然ガスの在庫が例年の水準を10%以上下回る状況が続いた。さらに、ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、ロシア出しの天然ガスの供給量が滞り、今後一層、需給環境が引き締まることが懸念されている。
舶用燃料としてのLNGもその影響を受けており、LNGバンカースポット価格は、3月3日時点で、ロッテルダムでトン当たり2,900~3,200トン(3月後半渡し)、シンガポールでは同2,100~2,400ドル(4月渡し)といずれもVLSFO価格の2倍以上の水準となっている。LNG燃料船の多くはLNGと軽油(LSMGO)両方を運用できる「デュアルフューエルエンジン」を搭載しており、市場関係者によると、一部の本船は比較的価格の安い軽油に切り替えて運航しているという...
※『バンカーレポート』、『CROSS VIEW重油』では脱炭素エネルギーへの移行に伴う問題点を定期的に取り上げております。 |
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