11日 原油は反発、株高と紅海情勢の悪化で
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(2月限)は前日終値と比べ24セント高の71.61ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(3月限)は同27セント高の77.07ドル/バレルと、いずれも反発している。 11日アジア午前の原油市況は買い戻しが優勢となっている。アジア主要株価指数の上昇に加え、紅海情勢の悪化が相場を下支えしている。11日東京株式市場は米国株高を引継ぎ、6営業日連続で堅調に推移。日経平均株価が一時節目である3万5,000円を突破したため、「株高による恩恵をリスク資産である原油も受けている」とエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミスト述べた。また、紅海情勢の悪化が引き続き強材料となっているもよう。アメリカ中央軍は9日にイエメンの武装組織フーシ派が無人機などで船舶を攻撃したため、撃墜をしたと発表。フーシ派はイスラエルを支援するアメリカの船舶を狙ったと主張したが、実際は関係のない船舶も狙われており、こうした紅海の治安悪化が「原油に上昇圧力をかけている」と野神氏は述べた。ただ、上げ幅は限定的。米エネルギー情報局(EIA)が10日に発表した統計では、先週末5日までの1週間で、原油在庫が市場予想に反して130万バレル増加。需給の緩みに対する警戒感が強まっているため「原油の上値を抑制している」(同氏)。 日経平均株価は前日比665円57銭高の3万5,107円29銭で推移している。ドル円相場は1ドル=145.38円と、前日の17時時点(144.94円)と比べドル高・円安方向に振れている。
|