中国=ベンゼン相場は最高値を更新
中国のベンゼン市場は5月以降、強基調となり、6月に入りこれまでの最高値を更新した。背景には、米国市場のベンゼン相場高、ガソリン添加剤としての需要が強いことなどがある。また、在庫水準が低いことも強材料視されている。石化メーカーが買い付けたナフサは軽質のものが多く、アロマの生産量が減っていることも要因のひとつに挙げられている。ベンゼン供給には引き締まり感がある。
一方、複数の誘導品の採算が悪化しているものの、原料コストには下げ余地があるとして、誘導品メーカーは生産を維持している。このため、ベンゼン相場が大幅に下落することはないとの観測が多い。
先行きについては、原油高が続くなか、米国のベンゼン相場が依然として堅調に推移しているため、アジアから米国向けのアービトラージは当面、開いた状況とみられる。輸出が活発となり、在庫は低い水準にとどまる可能性がありそうだ。
上海 : 石油化学チーム 金 雪梅 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.