中国ではここ数年、パラキシレン(PX)の新増設備が複数立ち上がっており、供給が増えている。2020年までに同国のPX生産能力は2,400万トンに達した。さらに22年までに4,300万トンに増える見通しだ。一方、誘導品であるPTA設備は新増計画がないうえ、需要も振るわないためPXの需給には緩和感がある。
こうした状況下、PXの既存の老朽設備が稼働停止に直面している。また、日本、韓国、台湾など価格競争力がない輸入品に対する需要は今後、減ると見られている。ただ、中東およびインドのムンバイなど原料コストが安い地域からの輸入は今後も続く見通しだ。