マレーシア=石油ガス信託基金をワクチン購入に拠出
マレーシア政府は4月下旬、コロナ禍への対応として、同国の石油ガス関連企業が出資している国家信託基金をコロナワクチン調達のために使用することを緊急決定した。同基金は、国営石油ガス会社ペトロナスをはじめとした国内の石油ガス資源の開発などに携わる石油ガス会社が創設。これまではインフラ整備や国土開発の支援に利用してきた。しかし、コロナ禍は、国家経済全体への甚大な被害が懸念されており、感染拡大の抑制が政府の急務となっている。 今回の決定で174億リンギ(42億3,000万米ドル)規模の資金が利用できると期待されている。マレーシア政府は年内に国民全体(人口約3,200万人)の80%へのワクチン接種を目標としている。同国では5月29日のコロナ新規感染者数が9,000人を超え過去最多となるなど状況は深刻だ。1日から全国的なロックダウン(都市封鎖)に入り、14日まで続く。 |
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