シンガポール=経営破綻のヒンリョンがターミナル株売却
シンガポールで50年以上の実績を持つターミナル運営会社ジュロン・ポートは3月、西部ジュロン島にある石油貯蔵施設ユニバーサル・ターミナルの権益41%を取得したと発表した。経営破綻した石油トレーダーのヒンリョン・トレーディング創業者から株式を購入した。取得額は3.5億米ドル規模となったと見られている。ジュロン・ポートは今回のターミナル取得により、事実上、シンガポールで最大の国内石油貯蔵会社となる。 ユニバーサル・ターミナルは世界的にも最大規模の石油貯蔵施設で、タンク7基の容量が合計233万立方メートル。超大型タンカー(VLCC)が接岸できる2基を含め合計15の桟橋がある。9つの船舶燃料給油の艀も備えている。 ジュロン・ポートは今後、石油取引に参入する可能性もあるとシンガポールの石油取引関係者は指摘する。ユニバーサル・ターミナルは、シンガポール現地法人であるPetroChina InternationalとMAIFインベストメントがそれぞれ25%、34%の株式を保有する。MAIFインベストメントは豪州大手投資銀行Macquarieグループの子会社。ジュロン・ポートはシンガポール政府系開発会社JTCコーポレーションの子会社となっている。また、今回株式を売却したヒンリョン・トレーディングは昨年、国際原油価格の急落を契機に債務超過が発覚し経営破綻した。 |
シンガポール : 萩本 智史 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.