中国=ポリオレフィンの輸出が減少傾向
中国では、2021年に複数の新規ポリオレフィン設備が立ち上がっており、供給に余剰感が強まっている。一方、米国では新型コロナウイルスの影響に加え、2月に発生した寒波で複数のポリオレフィン設備が稼働停止していたため、米国品の売り物が減っている。こうした状況下、これまで米国品を買い付けていた国では品薄感が強まり、余剰となった中国品を買い付ける動きが活発となった。中国の2021年1~3月期のポリオレフィン輸出は、ポリエチレン(PE)が約8万2,800トン、ポリプロピレン(PP)が約34万3,000トンで、合計の輸出量は前年同期比158.01%増加した。特にPPの輸出が目立っており、主な仕向け先はインド、トルコ、ベトナム、パキスタン、ブラジルとなっている。
先行きについては、停止していた米国の設備が稼働を再開し、供給が回復しつつあるほか、中東のポリオレフィン設備の定修もほぼ一巡しており、供給タイト感が後退している。一方、新型コロナのワクチン接種が各国で進んでいるものの、ポリオレフィンの需要は後退しつつある。このため中国品に対するオーダーは減る傾向にある。
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